大地

Photo久しぶりにパール・バックの「大地」を無性に読みたくなり、図書館へ走る。「大地」「息子たち」「分裂せる家」を借りてしまう。
ピューリッツァー賞とノーベル文学賞を受賞した彼女。重度の知的障害を持つ娘が一生お金に困らないようにベストセラーを出すと決意してこれを書き上げたと、高校の授業で習った記憶がよみがえってきました。そう思いながら読むと、また別の意味ですごいと思いながら読んでしまう。
自分が同じような状況でお金を作らなくてはいけなくなったらどういう方法でお金を作るだろうか?
少なくとも、ベストセラーを書くという方法ではないように思う。多分ビジネスを起こして、それをある程度に育てるんだろうなぁ...どんなビジネス!? なぞと、思わず自己対話してしまう。
大きく時代が変わろうとしている時期を舞台として選んでいる点が、そして、今、非常に気になっている中国が舞台だから、この本が読みたくなったんだなぁ...と思いながら、図書館で本を探していたのですが、読み始めたら、そんな小賢しい思いは吹っ飛び、ただただ圧倒されるばかりでした。
激動の時代を生き抜くと文字にしてしまうととても陳腐で安易になってしまうのだけれど、激動の時代に、幸せに生きるというのはどういうことなのか、とても考えさせられてしまいました。
パール・バックは娘を施設に入れざるを得なかったけれども、本では、白雉の娘も家族と一緒に暮らし生涯を終えることができたという形にしています。それは、自分が成し得なかったことを実現させたかったのかな...と、思いました。
最近、歴史に残る文学小説をずいぶんと読み直しているのですが、10代の頃には気づかなかったことや、感じなかったことが、数多く湧いてきて、改めて、読み直してよかったなぁと思っています。時間もかかるし、体力も必要なくらい長いものが多いのですけどね...


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コメント

    • TM-K
    • 2008年 7月 06日

    私事ですが。。。
    母は妊娠するとこの本を読みたくなったと申してました。つまり確実に4回は読み返している、という事ですね。私自身は実は読んだことが無いのですが(多分母への反発もあったのかと)
    ワイルドスワンの様な話なんだろうなーと想像しています。ある意味での母の強さを感じます。
     私も、何度も読み返す本があってそれはインガルス・ワイルダーの「大草原」シリーズです。
    読み返している年代によって、受け止め方がかなり変わって来たと思います。
    雑感ですみません。今度読んでみます。

  1. TM−Kさん、
    読み返す本って誰にでもありますよね。
    私はゲド戦記、はなはなみんみ物語(シリーズ)、風と共に去りぬは本当に何十回と読み返している本です。
    大地はものすごく長いので、読むときには、時間に気をつけてくださいね。

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