映画:ヴィオレッタ

 

子は親の所有物ではない。芸術か、ポルノか、児童虐待か。

 

フランスで1977年に発表された、実の母による少女のヌード写真集「エヴァ」のモデル、イリナ・イオネスコが、実体験を監督として映画化した「ヴィオレッタ」を見ました。

 

スキャンダラスなところを期待している人には物足りないかもしれませんが、実体験をした人が監督ですから、そこはものすごく意識して作られていると思います。特に、主演をしたアナマリア・ヴァルトロメイが、この作品以降性的シンボルとして消費されてしまわないように、細心の注意を払って、絵を撮って行ったことがとてもよくわかります。

 

監督本人が、「許せる許せないは別として、母がとった写真は美しい」とコメントしているところからも、美しさを全面にだし、ポルノグラフィック的なところはあえて最小化させているとと思います。

 

娘を所有物と考える母と、その配下から逃れようとする娘の葛藤というテーマで本作品を見ると、母娘ならだれでも抱えるであろう内容を扱っているところから、自分はどうだったのかと考えさせられます。

 

母親役をやったイザベル・ユペールが非常に素晴らしく(もちろん、ヴィオレッタ役のアナマリア・ヴァルトロメイも素晴らしくいいのですが)、母であるよりも芸術家として生きた母親の、そして、彼女自身の辛い過去(ちらっとしか出してきませんが)が今の彼女を創りだしているのだということも分かる映画でした。

 

ラストは、母から逃げるヴィオレッタで終わります。実際には、イリナ監督も施設に行き、母親とは断絶してしまうのですが。そういう悲劇を迎える前に、もっと何かできたのではないのか?とも考えさせられます。

 

いろいろと考えさせられることが多い映画でしたが、フランス映画ならではのファッションが楽しめました。絵がとてもキレイです。

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