尚美学園大学での音楽キャリア論―コンサートの集客について

昨年度より、尚美学園大学で音楽キャリア論I、IIの2つの授業を担当しています。

先月の週末と、この週末は、集中講義で、川越の尚美学園大学に行っていました。

音楽キャリア論Iでは、音楽家が成功するための「マルチ起業家」キャリア―様々な人との共演、教鞭、コンサートのプロデュース、芸術機関の運営支援等―を創るための基礎力をつける方法を教えています。

演奏家としての評判作り、ファンづくり等のために必要なブランディングやデモの作り方、売り込み方について、教えています。

講義の詳細は、昨年12月に、「音楽キャリア論―音楽生活を赤字にしないテクニック」として纏めているので、そちらをご覧ください。

生徒からだけでなく、大学で教えている講師の先生や、記事を読んだ方から、一番多く聞かれる質問が、「集客について」です。

授業で教えているとはいえ、私は「集客は超簡単です!」と言えません。

地道にお客様にアプローチして、チケットを売っています。

時に集客がギリギリで、焦ったりして、「チケット買ってください~」と泣きついてみたり、恥ずかしいこともいっぱいやっています。

顧客については、以下の2つにわけて、授業では教えています。
(注:普通のビジネスのマーケティングの授業とほぼ同じで、扱っている素材がクラシック音楽なだけです)

・リピーターを増やす方法
・新規顧客を増やす方法

当たり前ですが、リピーターを増やす方が、新規顧客開拓よりも楽ですが、新規顧客開拓をしなければ、年十回以上出るコンサートの集客ができなくなるので、母数の獲得も大事。

私の場合は、新規顧客の率が30%で、既存顧客が70%です。100人のコンサートであれば、30人が初めて来る人という感じです。そして、その初めて来てくださるお客様を、1年以内に7~8割リピートしてもらえるようにしています。二度とこない人はなぜ来ないのかも、調査して、理由を明確にしています。

授業では、実際に私が使っている顧客名簿(顧客名は分からないように加工)を見せながら、授業を進めています。

DMはコストがかかるので、開封率100%、レスポンス率75%以上になるように、DMを送る相手を厳選しています。DMが多いとウザくなって、開封率もレスポンス率も下がるため、多くのお客様は、年1-2回しか私のチラシを受け取らないようにしています。(熱烈なファンの方は、もっと多く受け取っていますが、全顧客の1%もいません)

それゆえ、チラシの印刷枚数も、ギリギリしか刷らないため、ほぼ余らず、コスト削減を実現しています。

こうやって、やっていることをきちんと数値で管理する。そして、自分がやっている活動が目標数字に達成しているかどうかをチェックしながら、ダメだったら何がダメだったのか洗い出し、うまくいったことは次にもうちょっとうまくいくように工夫の余地がないのか、続けていくと、それなりに集客ができるようになります。

もっといいやり方があるのかもしれませんが、音楽家だけでなく、セミナー講師をはじめ、集客に悩む人たちがいて、集客がうまくいっている人たちは、同じようにきちんと顧客名簿を作りこんで、アプローチ方法を考えて、アプローチ結果を数値でモニタリングして…というサイクルを回していることを考えると、こういうやり方が一番の近道なのかな?と思っています。

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


アーカイブ

ページ上部へ戻る