コレラの時代の愛
渡辺千賀さんとお寿司を食べたときに、面白いと絶賛していたので、図書購入禁止令を破ってまでゲットした「コレラの時代の愛」。
内容(「BOOK」データベースより)
夫を不慮の事故で亡くしたばかりの女は72歳。彼女への思いを胸に、独身を守ってきたという男は76歳。ついにその夜、男は女に愛を告げた。困惑と不安、記憶と期待がさまざまに交錯する二人を乗せた蒸気船が、コロンビアの大河をただよい始めた時…。内戦が疫病のように猖獗した時代を背景に、悠然とくり広げられる、愛の真実の物語。1985年発表。
まず、くどいほどに長い小説。長くて、くどいんだけど、一気に、スピードよく読みきれる文体は、オリジナルがよいのか、翻訳がよいのか、あるいはその両方か!?
#近年、翻訳や通訳問題に悩まされ続けているので、どうしても翻訳の質が気になってしまうのです。
それにしても、千賀さんの話を聞いたときには、「50年も待ち続ける男がいるのか!?」と思いました。が、本を読んで、ホントにこういうことを思う男がいるのだと(小説だと分かっていても)、ちょっと感動しました。
私は浮気性(!?)なので、ここまで待てない。浮気性というよりは、気が短いだけなのかもしれないけれど。結果が出そうも無いものに時間をかけるよりも、結果が出るものに時間をかけるタイプと書いたほうが聞こえがよさそう(笑)。
待ち続ける間に、「浮気」をして、男を磨いていく様がすごいです。男は独身なので、女性と戯れるのは、浮気にはならないと思うのだけれど、「愛している女性がいる」ということから、彼はそれを浮気と考えるのだから、その思考回路に、驚きます。彼女に見合う男になろうと、自分磨きに励む姿を、どこぞの誰かに読ませたい。ここまで、想ってくれる人がいるっていうのは、女性としてはうれしいでしょうね。
72歳になった彼女がご主人の事故で未亡人となって、50年ちょっと待ち続けた彼が告白するところも、すごい。。。
とにかく、「すごい」としか表現しようがなく、自分は絶対にできないと胸を張っていえる(威張ることじゃないけれど)。だからこそ、こういう小説がじーんと心に響くのかもしれません。
この記事を書きながら、自分の形容詞表現があまりにつたないので、恥ずかしくなっています。ここ最近、日本にいないので、日本語力が落ちているのかもしれません…
このプロットを考えて、ここまで細かく書き込んでいく小説家も本当に見事です。さすがノーベル文学賞作家!
文章を書くという意味でも、本当に勉強になりました。
ところで、千賀さんがお勧めという本にある傾向があることが最近分かってきました。
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