オリンピアのぜんまい

日曜日が本番というのに、信じらないくらい、本業が忙しく、毎日、仕事でほぼ喋りっぱなしで、喉を酷使しています。このままだと、本番はキャンディードを歌いきれるのか!?と不安に思いながらも、土曜日まるまる1日まったく喋らなければなんとかなる?と、甘いことを考えている私。
今回は、歌い方を変えている最中なので、歌い方が変わったな、空間の使い方がうまくなったな、と思っていただけるといいなぁと、思っております。
昨年1年間でコンサートに出させていただくことで、ある程度の成長はあったと思っていたのですが、天井が見え始めていて、もっともっと歌手として成長するにはどうしたらいいのだろうか?と悩んでいたのですが(脳天気に見えるから悩んでいるように見えないらしいけれど)、先生といろいろと相談したり、先生の先生に見ていただいたりして、自分としてどうしたらいいのかを探ってきた結果が、歌い方を変えること。
Natalie Dessayと自分を同じ土俵で語るのはおこがましいのだけれど、彼女は声帯にポリープが出来てお休みをせざるを得なくなり、歌い方を変えて、超高音絶叫フレンチ系から、しっとりとしたベルカントへチャレンジ中。最近メットで上演された「夢遊病の女」が絶賛され、今年は「夢遊病の年」と言われるほど、素晴らしいものでした。Natalie Dessayほどの方が歌い方を変えられたのだから、私だってできるはず。と、現在挑戦中ですが、思っていた以上に大変です。
大変なのだけれど、いつか(近い将来であることを祈るばかりですが)、自分が納得する歌い方が出来るようになり、もっと成長した姿を皆様にお見せすることが、現在の目標です。
そして、大変なので、練習も辛いし、ついつい、逃避しがちになるのですが、今回の逃避先が、これです。
Ca390006私の十八番、オッフェンバクのオペラ「ホフマン物語」に出てくる機械人形オリンピアの有名なアリア「小鳥はあかしでの木に止まって〜オリンピアのアリア〜」の中に出てくるぜんまいの音の元、「ラチェット」という楽器です。
国際芸術連盟の新人オーディションで一緒で、その後のコンサートで何度かご一緒している鈴木亜希子ちゃんから教えてもらいました。
私はいつもオリンピアが壊れて行くシーンでは、ディナーベルを使っているのですが(その方が音が可愛いし、私の声にあうから)、いつか、今目指している方向で声が作れたら、このラチェットと一緒に歌うのも楽しいかも!?と、思って、早速ゲット。
お遊び半分、練習で使うのも楽しいので、(こうやって楽しまないと、自分の能力のなさに失望して、レッスンが進まないからというのもあるのですが)、息抜きにオリンピアを歌う。
そして、その後は、コンコーネ、コロとアジリタを練習するためのパーエルとロッシーニの練習曲を練習して、コンサートの演目、コンクールの演目、と、豪華プログラムをこなしております。歌い終わると、腹筋の酷使で、おなかが痛くて、息も絶え絶え。最後に、椿姫の「Addio del passato(さよなら、過ぎ去りし日々よ)」を息も絶え絶えのリアリスティックに歌って(これも遊び半分ですが)、ビオレッタになりきる(笑)。
遊びで歌うオリンピアが一番楽しいです。ラチェットを使ったオリンピアを歌う日が来ますように。


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コメント

    • 亜希子
    • 2009年 5月 21日

    ゆかりちゃん
    さっそくラチェットを入手したのね~。きりきり使ってるだけで楽しいでしょ。
    歌い方、発声を変えているのですね。
    私も新しい先生に発声を見ていただくようになって以来、日々悩みながら練習しています。
    ベルカントものは歌いやすいのに、「影の歌」が歌いにくかったりして。。。
    自分という楽器、なんでこんなに思い通りにいかないんでしょ。
    まずは24日。そして来月の大きな目標に向かってがんばってくださいね!

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