英語で本や論文を読む苦痛を減らす事前準備6ステップ
いくら英語ができるようになっても、英語で文章を読むスピードは、やはり日本語を読むスピードよりも4割減くらいなので、和訳があれば絶対和訳から読むのですが、英語の原文しかない場合も多々あります。
そうなると、英語で読むしかありません。知らない単語が出てきて、辞書を引くのも面倒だし、知らないまま読み飛ばして理解できないことも多々あるので、「辞書ひきながら一気に読める時間ってどこで作るんだろう?」と、読む前から、げんなりしてしまいます。
ちなみに、どれだけ外国語ができるようになろうと、バイリンガルであろうと、英語を読むスピードは日本語よりも遅いそうです。それは、日本語は漢字交じりの言語で、漢字から多くの意味を理解できるため、少し読み飛ばしても内容が理解できるからだそうです。
そんなわけで、英語をはじめ、外国語で本や論文を読まなければいけないときは、ちょっとした準備をしています。
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PDFなどの電子媒体を入手する
この後のプロセスを考えて、読むのは、紙で読む場合でも、電子媒体を入手します。
論文は比較的PDFで入手しやすいのですが、本の場合でも、章毎にPDFになっているものもあるので、それをダウンロード。なければ、自炊します。 -
TXTに変換する
私は普段UniPDFというソフトを使って、PDFからTXTやWORDに変換しています。
無料のオンラインツールもあるので、そういうのを使うやり方もありますが、ページ数が限られていたり、メールで送ってくるというラグが発生するので、私はソフトを使っています。追記1&注意: UniPDFは、アドウェア同梱になっているので、インストールの際に、必ずUniPDFのみインストールしてください。UniPDFのみを選択し、それ以外はすべて選択をはずしてください。そうでないと、後から手作業でアドウェアを削除することになります。
追記2: OCR対応されています。英語はそれなりのレベル、日本語は許容範囲。私は、英語などの外国語のみのために使っているので、不便は感じていません。
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Word Count Toolを使って、文章の難易度をチェックする
難しい文章は、ホントに読む必要があるのかを吟味するため(自分が楽をしたいだけですから)、Word Count Toolを使って、どのくらいのレベルの文章なのかをチェックします。
Difficult words(難しい単語) が50%以下だったり、Readability Level(何年生くらいだったら読めるか)が高校生レベル以下だったら、躊躇なく読みます。そうでなければ、「ホントに読む?」と自問自答して、「やっぱり読まないとダメだ!」となったら読んでいます。
例えば、この例だと、全部でPDFでは23ページのドキュメントですが、ユニーク単語数は、9821とそれほど多くないことが分かります。
その中で、Difficult words (難しい単語)は37%と比較的少ないのですが、Readability Level(何年生レベルか?)は、大学生1年~3年生レベルと比較的高め。そこで、難しい単語がどれだけあるのか、次のステップ4で調べた上で、本当に読むかどうかを決めます。 -
Online Word Counterを使って、頻出単語を調べる
全ての英単語を分析してくれて、重複しているものや、文法的によく使われる単語を除き、出てくる回数順にリストアップしてくれる無料のオンラインサービスです。
先ほどの例で見てみましょう。頻出単語のTOP30でも50でも(もちろん10でも)選べますが、このケースではTOP30を見ています。
TOP30をざっと見てみると、難しそうな単語は無さそうです。すべてのリストを見ることもできるので、念のため、すべての単語リストを見てみると、難しそうな単語は1回しかでてこないものばかり。これで、この論文は全部読もうと決めています。
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頻出単語の中から、分からない単語の日本語訳を調べる
4でリストアップした頻出単語をざっとチェックし、分からない単語があれば、その日本語訳を調べます。こうしておくと、よく出てくるのに分からない単語をあらかじめチェックしておけるので、読んでいるときに、読むのを中断して、辞書を引くという手間が省けます。
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英語を読む日・時間を決めて、一気に読む
5まで事前準備としてやっておけば、あとは英語を読む日・時間を決めて、スケジュールを確保。そして、一気に読みます。途中邪魔が入ると、「だって読み終わらなかったんだもん」という言い訳を作って、読み切らなくなるので、そういう言い訳を作らず、自分を追い込んで読みます(はい、そこまで、英語を読むのは面倒なので、私はできれば避けたいです)。
ケータイもマナーモードにして、緊急事態には連絡がつくようにしておいて、後は誰にも邪魔されないカフェや公園などで、あらかじめ調べておいた単語リストと共に、一気に読んでしまいます。
こうやって、事前準備をしておくと、英語の本や論文を読むのが、ちょっと楽になります。
英語の本や論文を読む「クセ」がついてくるようになると、中学3年生レベルなら、1ページ5分くらいでほぼ辞書をひかなくっても読めるな、という自分の目安が出来ています。そうすると、「意外と高校生レベルくらいだったら、がんばれば読めるな。」とか、「大学生レベルは、気合入れて読むか!」、「大学以上のレベルだから、今回はどうしても読まなくていいならやめるか」 など、自分の英語との向き合い方が決められるので、自分の中での「苦痛レベル」を下げることができるでしょう。
コメント ( 2 )
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興味あるブログに出会いましたので、コメントさせて下さい。
初めまして深野と申します。tangokun.comを立ち上げ、現在サイトの改善にむけて取り組んでいます。
秋山さんの視点は、「先引き辞書」の概念だと思います。英文(記事、洋書など)を読むときの不安心理は、特に初級者のころは高く、知らない単語に出会うたびに止まる、使われている単語のレベルが自分のレベルと会わないことでの挫折、単語をむやみに覚える強迫観念など、このハードルは誰しも感じるところです。
私もこの点に注目し、英語好きが災いして?この問題を解決できるような仕組みを作っています。
このような記事に出会い、少し心強く感じた次第です。
大変参考になりました。ありがとうございま。
深野様、
コメントありがとうございます。
英語は初心者ではたぶんないと思いますが(TOEICは満点、国連英検は特A級を取得)、大量のしかも全然知らない専門分野の書籍や論文を多く読まなければいけないときには、この知らない単語に出会いよく分からないというところで、読むのがおっくうだなぁと私は感じています。この問題を解決できる仕組みとは、素晴らしいですね! tangokun.comではお試しもできるようなので、後で挑戦してみたいと思います。