【本】「読む」技術 速読・精読・味読の力をつける
石黒圭氏の「「読む」技術 速読・精読・味読の力をつける」を読みました。
内容紹介(帯より)
「読む」のは「書く」より簡単、ではありません! 化石化した自分の読み方の癖に揺さぶりをかけ、新たな読みの引き出しを増やし、創造的な活動に結びつけるための8つの戦略を解説。内容(「BOOK」データベースより)
書いたものに現れる個性は「文体」と呼ばれ、よく知られていますが、読むときにも「読体」というそれぞれの人の個性があります。「文体」と違って目に見える形にならないので気づかれにくいのですが、それぞれの人の性格や背景におうじた読みの偏りは確実に存在します。「読む」技術を向上させるには、無意識のうちに身についた自分自身の読み方の癖の姿を知らなければなりません。本書は、自分なりの読み方、「読体」を対象化し改善する目的を持っています。
私は年間大量の本を読みますが、フォトリーディングはしておらず、ひたすら頭からどんどん読んで行くタイプ。小さい頃から大量に読んでいるので、ただ単に読むスピードがアップしているだけで、何か技を使っているわけではありません。小説を読みながら人間関係が分からなくなれば、人間関係図を書きながら読んだり、自分なりに、工夫はしようとしているのですが、「戦略的に読む」ということはあまり考えてきませんでした。
最近老眼が始まり、昨年よりも読むスピードが落ちてきていることに悩んでいたときに出逢ったのがこの「読む技術」。
久しぶりに、ものすごく勉強になる新書で、感激しました。読むことを、理論的にまとめると、こういうことなのだ!と、めうろこです。
速読術の本では、「画像取得活動」と「文字認識活動」に焦点を当て、そこをトレーニングすることが多いようです。しかし、本書では「意味変換活動」と「内容構成活動」に焦点を当てていきたいと考えています。
このように最初に定義づけられており、ここから、「そうなの!世の中の速読書に違和感を感じているのはここの部分だったの!」と、思わず、お風呂の中で、本と会話を始めてしまいました。
どのページも参考になる内容ばかりですが、ところどころで、それらをまとめてくださっている、とても親切な本の作りで、理解度が増します。読む観点だけでなく、「書く」人にとっても参考となる本であることは間違いなし。
p.48の読解ストラテジーを読んで、自分がかなりの分量の書籍を読みさばけてる理由が見えてきました。
スキャニング、スキミング、味読、熟読、記憶の5つの読み方があり、場面、場面で使い分けている、その例まであげられています。TPOにあわせた読解。無意識にやっていましたが、これを意識的にするだけで、読む力もスピードもあがりそうです。
さらにこの5つの読み方の中で、「速読」「味読」「精読」を深堀し、それぞれのストラテジーを詳細に述べています。P.53にまとめている図があるのですが、これをコピーして、手帳に貼って、読書の質をあげようと決めました。
本を読んだ結果...私がすごく早いスピードで読めるのは、「速読」の中の「話題ストラテジー」というものを使い、知識で理解を加速させる力が一番大きく影響しているのだと思いました。次はたぶん取捨選択ストラテジーの要点を的確に見抜く力です。だから、速読ができるのであって、小説なんかをこの調子で読んでいると、面白く亡くなってしまうこともあるので、もう少し「味読」力をつけないといけない... などと、自分の読み方分析もできます。
読書に悩んだ時、地図となる1冊だと思いました。
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