BLOG

ブログ

いま、「誰が未来を描くのか」が問われている。

AI人材の引き抜き戦争、排除の論理、外交の胆力、そして創造をめぐる魂の物語——今週のニュースは、「力を持つ者」が誰であり、「未来を形づくる覚悟」がどこにあるのかを、私たちに突きつけてきました。

民主主義は、いつでも当たり前に続くわけではありません。技術の進化も、それが何を支えるかによって、希望にも危機にもなりうる。そんな「岐路」に立つ今だからこそ、私たち一人ひとりの問いと選択が、社会の方向を決めていくのだと感じています。
4つのPickを軸に、今週の知的ジャグリングをお届けします。

▶ 1.  AIの覇権は「誰を育てるか」で決まる

『メタ、AIスタートアップ創業者グロス氏を獲得-超知能グループ拡充』(Bloomberg、2025/07/04)など複数

メタがグロス氏など著名AI研究者を次々と引き抜く中、AI開発競争は「人材獲得」から「思想獲得」へと移りつつあります。ザッカーバーグ自らが動く姿は、技術と価値観の統合に本気であることの表れ。超知能を「誰が育てるか」が、未来社会のかたちを決めていきます。

 🧠 ジャグリングポイント:人材×価値観×技術覇権 → AIは「所有」ではなく「育成」の競争に突入した。

▶ 2. 「出自」でなく「貢献」で語れ

『トランプ氏、マスク氏の国外追放「検討必要」』(AFPBB News、2025/07/02)
「補助金がなければ帰国しろ」というトランプ氏の発言は、移民国家アメリカの理念を根底から覆すものでした。イノベーションで国に貢献してきたマスク氏を「出自」で排除しようとする姿勢は、民主主義を損ないます。求められるのは、冷静な政策議論です。

🧠 ジャグリングポイント:移民×貢献×民主主義 → 人を評価する基準が、「国籍」から「価値創出」へと変わらなければならない。

『米大統領、関税最大70%も 4日から各国通知、8月徴収開始―日本、参院選制約で合意厳しく』(時事ドットコム、2025/07/04)
選挙期間中だから交渉できない——という日本の姿勢は、グローバル経済では通用しない言い訳です。関税は国家間の“戦争なき戦争”。参院選と外交は二者択一ではなく、並行して対応できる国家経営力こそが今、試されています。

🧠 ジャグリングポイント: 通商×政治日程×国家経営 → 「選挙だから何もできない」は、もはや許されない時代へ。

『「ガンダム GQuuuuuuX」を観て感じた、AIには決して代替できない人間の可能性』(NewsPicks)
AIが創れない物語——それは感情の渦から生まれる「魂の物語」。ララァの想いが宇宙を変えるように、人間の“弱さ”が創造性を駆動する。AGI時代に必要なのは、より論理的になることではなく、より人間らしくあることです。

🧠 ジャグリングポイント:感情×物語×AGI → 「魂の物語」こそ、AIがたどりつけない人間の領域。

AI人材の争奪、民主主義の試練、国家間の経済駆け引き、そして物語の力——すべてが問いかけているのは、「私たちは、どんな社会を育てたいのか」という根源的な問いです。技術や制度の変化に飲み込まれず、価値と覚悟をもって未来を選び取る力が問われています。

来週もまた、社会を知的に読み解くヒントをお届けしていきます。

知を解きほぐし、問いを編もう。

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA