提案力を鍛える

「提案力」とは、「問題を発見し、その問題を解決するための方法を人に提示する力」です。したがって、「提案力を鍛える」というのは、「問題解決力を鍛える」のとイコールだと思います。

 

私は「問題解決力」を「自分の頭で考え抜き、決断し、行動する力」と定義しています。考え抜くだけではなく、決断し、行動するところまでを問題解決力としているのは、問題を特定するだけでなく、それをもとに自主的に行動することができて初めて問題が解決できるからです。

 

仕事をしていくのに(そして生きていくのに)最も重要なスキルは何かと聞かれたらば、迷わず「問題解決力」をあげます。その理由は、問題解決力があれば、何か問題に直面したとしても、その問題を自らで解決していくことで、道を切り開くことができるからです。また、何かやりたいことが出てきたらその夢や日標に向かってどうやっていけば実現できるのかを考え実践していくので、成功率が高まるのです。

 

仕事において、与えられた仕事を黙々と完壁にやっていくのはとても大事なことです。が、さらに上を目指すのであれば、会社における自分のポジションを理解したうえで、会社にとって最も大きな付加価値を生むことは何かを考え、提案し、実践していくことが大切です。そうすると、周囲に認められていきます。それには、課題を発見し、その課題を解決するために情報を収集し、何らかの判断をおこない、それを実行していくことが求められます。

 

人生においても同じことです。自分の人生をよりよいものにするには、問題に直面したときに、その問題をいかに短期間で解決し、平穏な日々を取り一戻すのか、また、自分がやりたいことを実現させるのか、それが、幸せな人生を送るためには必要なことだと思います。

 

人生なんてそこまで大きなことはちょっと私には遠い話かも……と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私たちは日々多くの情報にさらされ、その中でなんらかの判断をしています。その判断は、果たして自分にとってよい判断だったのでしょうか?

 

たとえば、10年以上前にベストセラーになった本ですが、『脳内革命』(春山茂雄著 サンマーク出版)の中に、次のような話が出てきます。「最近アメリカからIQ 二〇〇という、とてつもない天才児が来日し話題になりました。日系三世の少年の母親は、妊娠中に納豆を食べまくっていたそうです。また少年自身も小さいときから大の納豆好きで、いまでも毎日欠かさないようにしているとテレビで紹介されていましたが、納豆が脳細胞の活性化に役立つことを示す、生きた見本といってよいでしょう」

 

絵:かたぎりもとこ

絵:かたぎりもとこ

この話を読んで、「やっばり納豆って脳に効くんだ!」と思った方、ちょっと待って。ここに根拠として挙げられている1人の事例ではたして事実と言えるのでしょうか。この手の話はさまざまな健康番組や雑誌で取り上げられ、紹介された夕方にはスーパーの商品が売り切れるということがよくあります。でも、なんだかおかしいなぁ……とよく考えてみると、情報に踊らされず、自分なりの正しい判断ができるようになるのです。問題解決力とは、こうした日常生活の場面でも役立つスキルなので、是非磨きましょう!

 

‥…なんて今は偉そうに言っていますが、私も20代の中ごろまでは、問題解決力からははるか彼方の100万光年あたりにいた人です。今となってみると、なぜあんな不安定な生き方を選択していたのかとても不思議なのですが、トラブルが起きてもどうしていいのかわからず、ただおろおろするばかり。まったく頭も使わずに、卜一スフルの波に飲み込まれ、そんな出来事に巻き込まれてしまった自分の不幸を嘆くばかりでした。

 

24歳で迎えた離婚、そして、その直後に長期の入院を余儀なくされたときに、自分の生き方を変えざるを得なくなり、試行錯誤で身につけたスキルの1つが問題解決力でした。

 

問題解決力というと非常に難しいお勉強をしなくてはいけないと思われがちですが、日常生活で楽しく誰でも身につけることができるスキルです。1月はそのスキルの身につけ方をご紹介しますね。

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