思考力Exercise8: 新聞・経済誌の見出しを掘り下げてみる

絵: かたぎりもとこ

絵: かたぎりもとこ

「毎日時間を作って勉強しなきゃぁ〜」と思うとそのことがプレッシャーとなってなかなかできないのですが、いつも持っている身近なもの、たとえば、新聞や経済誌をエクササイズの題材として使うと、電車の中や人と待ち合わせしているすきま時間にできるので、勉強を続けやすく、おススメです。

 

やり方は、まず、新聞や雑誌をチェックしたときに、面白いなと思った記事を切りとっておきます。新聞は紙の材質の特性で、縦方向だとキレイに手でも破けるようになっているので、ハサミなんて持ってなくてもOK。びりびりっと縦に破いてバッグに入れておきましょう。すきま時間ができたらしまっておいた記事を取り出し、エクササイズスタート。その記事に載っている会社や商品・サービスがどうすれば業界NO. 1になれるのかを10分〜15分以内で考えます。あまり長時間やっても苦しいだけなので(もちろんすらすらと出てくる人は続けていただいて構わないのですが)、そしてすきま時間の有効活用と考えると15分以内が妥当な時間配分だと思います。

 

最近私が切り抜いたのは、百貨店合併・統合の記事。普段よくウィンドーショッピングをする百貨店の話題だったので、身近な題材で面白そうと思ったのです。そして、それを切り抜いた翌日の雑誌には、競合百貨店2社が合併・統合を発表したという特集記事が載っていたので、これも切り抜いておきました。

 

これを題材にエクササイズを開始。「私が大好きなA百貨店がB&C百貨店連合に勝つにはどのような打ち手が有効か?」を考えます。もちろん記事にはそんなことは書いてなく、ただの業界特集記事で事実が羅列されているだけなので、記事は参考程度にしか使えませんが、自分の頭で考えるなら、答えが全部出ていないほうがいいのです。

 

手のひらサイズのメモを片手に、まず、A百貨店が勝つという言葉の定義をしていきます。「A百貨店の展開規模を考えると、総売上高がBC連合を上回ることはまずありえないので、新宿にあるフラグシップストアの売上高と利益率が競合のBC連合新宿店よりも高い。これがA百貨店がBC連合に勝つということである」。この言葉の定義が今回のエクササイズの目的となります。

 

目的の定義が終われば、あとは、売上と利益を最大化させる施策を考えていくだけ。まずは、思いつくままに打ち手を書きならべていきます。最初はなかなか言葉が出てこないかもしれません。そんなときには、「いつ、誰が、どこで、なぜ、何を、どのように、いくらで」という5W2Hなどのフレームワーク(フレームワークについては後日ご紹介します)を使って考えてみると、打ち手の要素が出てきやすくなります。

 

売上を考えるときはこのフレームワーク、利益を考えるときはこのフレームワークと、自分が使いやすいフレームワークをあらかじめ用意しておくと、打ち手要素が出しやすくなるだけでなく、自分が忘れていたこともきちんと押さえられるので、フレームワークをいくつか覚えておくと便利です。

 

こうして書き出していくうちに、記事には書かれていなかったことも見えてくるようになり、全体像を見渡せる目を養えるようになります。

 

ポイントは、こういうエクササイズには答えがないということ。合っていようがまちがっていようが、自分の頭で全体像をとらえようとがんばった、というのが大切。最初は全然できないかもしれません。メモを片手に呆然としてしまうかもしれません。私も最初は何をしていいのかわからず、新聞記事の要約ばかりをしていました。しかし、自分の頭で無理やり考えようとすると、そのうちぽろっと見えてなかったものが出てきます。固い頭をやわらかくする。そのエクササイズをしているのだと思い、じっと我慢をして、続けてみてください。

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