書評:銀翼のアルチザン

 

私は、アップルシード・エージェンシーに所属する作家なのですが、同じアップルシード・エージェンシー所属の作家、長島芳明さんの書いた「銀翼のアルチザン」を頂き、読みました。

 

中島飛行機の小山氏を題材にしたノンフィクションです。

 

中島飛行機は、昭和20年まで存在した当時東洋最大の航空機メーカーで、第二次世界大戦後、GHQによって解体された会社です。

 

私の姉は米国の飛行機産業にいます。政府専用機や戦闘機などの設計に携わっています。その姉が、開発中の事故で死者が出た時期に、戦争の道具を作ることを、エンジニアとしてどう考えているのかの話が出ました。

 

その時に、中島知久平の飛行機研究所が話題に上りました。

 

日本にそんな会社があったんだ!?という驚きもあったのだけれど、姉の飛行機を作りたいという拘りの方に当時は驚き、中島飛行機について調べることもないまま、中島の名前は記憶の奥底に沈んでいきました。

 

今回、この本をいただいて、「あの中島飛行機だ!」と思い出し、本を読み進めました。

 

何が姉をそんなに魅了したのか知りたいという気持ちで読み始めた本ですが、1人のビジネスパーソンとしても学びも刺激もとても多い本でした。

 

仕事の哲学とは、

技術の持つ意味とは、

これからどういう企業文化を作ればよいのか・・・ 

 

小山の仕事へのこだわりだったり、中島飛行機の自由な企業文化であったり、1企業の、1個人の日本への世界への貢献の仕方であったり、時代は違えど、今の時代に、今の時代だからこそ、我々が考えなければいけないことを突き付けてくる本でした。

 

ここで思い出したのが、「悲劇の発動機「誉」」。

あれも中島飛行機だったじゃないか!と思い出し、入手して読みました。

 

こちらの本も、かなり綿密な調査をされて書かれた本です。

 

私が想像していた日本の技術開発の問題点というのがこの本には沢山出てきます。

 

基礎技術なくして技術は成り立たない。量産での躓き。そもそもプロトタイプから量産というプロセスをよく分かってなかった軍に振り回されたわけです。現場を知らない経営者の横槍で失敗するというパターンによく似ているし、失敗すると分かりながらもトップを止められない技術者軍団のあるある物語です。

 

今の経営者と技術者に読んでもらって、自社が罠に落ちてないか考えて!?と思いながら、読み進めました。

 

こうして、違う切り口で、同じ中島飛行機を見てみると、光の当て方で見え方が変わってくるので、2冊合わせて読むのをおススメします。

 

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