ビクトル・ユゴー レ・ミゼラブル
DIVAの森川社長が毎日新聞の引用句辞典「格差拡大社会」(仏文学者 鹿島茂氏による文)がすごく良かったと教えてくれました。「富の増大と公正な配分は永遠に両立できない?」とビクトル・ユゴーのレ・ミゼラブルからの引用をベースに議論を展開しています。
ビクトル・ユゴーは詩人、小説家として知られていますが、政治家でもあった人。高校のフランス文学の授業で、その人となりのリサーチペーパーを書かさせられ、彼の書物を大量に読んだ記憶があるものの、レ・ミゼラブルと格差社会は頭の中でつながっていなかったので、この記事を読んで、早速、レ・ミゼラブルを読み直す。
すごく奥深い小説で、民主主義社会の中で、富の分配をどうすればいいのかを考えさせられる。
#落ちているときに読む小説としては最適ですわ。だって、自分の悲しみがとってもちっぽけなモノに思えてくるし、悲しみを掘り下げた後は、let it go。忘れるしか無いのだから。他に考えることがあるのはいいことだ。
法律と風習とによって、ある永劫の社会的処罰が存在し、かくして人為的に地獄を文明のさなかにこしらえ、聖なる運命を世間的因果によって紛糾せしむる間は、すなわち、下層階級による男の失墜、飢餓による女の堕落、暗黒による子供の萎縮、それら時代の三つの問題が解決せられない間は、すなわち、ある方面において、社会的窒息が可能である場合は、すなわち、言葉を換えて言えば、そしてなおいっそう広い見地よりすれば、地上に無知と悲惨とがある間は、本書のごとき書物も、おそらく無益ではないであろう。
序でこうはじめるあたり、レ・ミゼラブル(みじめな人々)が決して無益なわけではないと問いているのでしょう。
人類はただ一つである。人はすべて同じ土でできている。少なくともこの世にあっては、天より定められた運命のうちには何らの相違もない。過去には同じやみ、現世には同じ肉、未来には同じ塵(ちり)。しかしながら、人を作る揑粉(ねりこ)に無知が交じればそれを黒くする。その不治の黒色は、人の内心にしみ込み、そこにおいて悪となる。
無知こそが人間を犯罪者にする。真理だと思うけれど、知ることだけでなく、それを考えることがもっと大事なんだと思う。
...など、書き出していくと、考えるべきことが凝縮されている本だなぁと改めて思う。
社会主義vs民主主義。メリット・デメリットあるわけだし、私は民主主義の中で育ったから、民主主義以外の社会で生きることを考えたことはなかったけれど、民主主義の悪い点だってあるわけで、それをどうすべきなのか? とってもマクロな話だけれど、考えてみるって大事なことだと思う。
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