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Photo治験審査委員会に出た後、すこし遅い委員会の新年会に出席しました。そこで話題となった「ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実」を読み直しました。
内容

製薬ビジネスにかかわるすべての人に読んでもらいたい書籍が登場した。副題が「製薬会社の真実」とあることから、本書をいわゆる暴露本ととらえる人もあるかもしれないが、その主張のほとんどはしっかりとした根拠に基づいている。著者のエンジェル氏は、医学雑誌The New England Journal of Medicineの前編集長。タイム誌が、米国で最も影響力のある25人に選んだこともある人物だ。掛け値なしに一流のジャーナリストである同氏が、「製薬企業は不誠実で狡猾だ」と全力を挙げて告発するために著したのが本書である。
「製薬業界の技術革新力が特に優れているわけではない。重要な薬の多くは、公的研究やバイオテク企業から生まれている」「製薬企業は薬が良く効くように見せかけるため、臨床試験に細工を施している」「薬の開発に多額の資金が必要だというのは嘘で、ほとんどはマーケティングにかかる費用である」などその内容は刺激的である。
ただし、著者が“悪”と断じている行為は、業界にとってはどれも当然のものばかりだ。実際、製薬企業向けのセミナーでは、法の網をかいくぐって特許期間を半年でもいいから延長する方法や、ゾロ新薬をピカ新に見せかけるマーケティング手法が人気を呼んでいる。それだけに、製薬業界がこの本にどう反論するかが興味深い。
(日経バイオビジネス 2006/01/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)

数年前に初めて読んだときは、衝撃的すぎて、あまりのショックに詳細を噛み砕く余裕がなかったように思いますが、その後、製薬会社関連の本を読み、有識者にお会いし、そして、私自身、治験審査委員の仕事が6年目に入り、それなりに知識がついてきたからか、今回は、熟読できました。
今日承認をしたある精神系薬剤の治験で、めちゃくちゃ議論になったのですが、「プラセボ比較の臨床試験は良くない」と説く著者に、私は激しく同意したい。
#秋山先生が珍しく引き下がったと言われましたが、某社の方にしつこく質問をした結果、とある理由で納得したから引き下がって承認しただけであって、別にポリシーを変えたわけではありません。
生き残りをかける日本の中堅製薬メーカーに伝えたい。後追い戦略ではなく、本当に患者のニーズのある分野を探し、治験デザインをきっちりやって、結果を出して、市販に結びつけるべき。糖尿など、まだまだ開拓の余地はあると思います。
同じ委員をしている医師の先生が、この本と似たような本でいい本があるとおっしゃっていたのですが、Amazonをチェックしているのですが、まだ見つけられず。私もそうなのですが、本のタイトルが思い出せないと、こういうときに不便ですね。


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  • コメント ( 1 )

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  1. Amadeus

    「製薬企業は不誠実で狡猾だ」
    だます方もだます方ですが、だまされる方もだまされる方ですよ。わかっていてだまされる医者もいるから始末が悪い。
    私立大学病院の実態を白日の下にさらしてほしいです。

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