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川内有緒さんの「バウルを探して」で著者に恋に落ちてしまったので、他の作品も探したところ「パリでメシを食う。」が出ていたので、さっそくゲット。

今日、電車でも外でも歩きながら本を読んでいた人を見かけたら、それはきっと私(笑)。階段を踏み外しそうになりながら、すごい勢いで読んでしまいましたっ!(危ないからやめないといけないんですが……)

内容(「BOOK」データベースより)

三つ星レストランの厨房で働く料理人、オペラ座に漫画喫茶を開いた若夫婦、パリコレで活躍するスタイリスト。その他アーティスト、カメラマン、花屋、国連職員…パリにいつのまにか住み着いた日本人10人の軌跡。時にセーヌ川のほとりで、時にワインを片手に、彼らが語る軽やかでマイペースなパリでの暮らしぶりに、思わず肩の力がふっと抜ける好著。

食の話かと思ったら(すみません、何も見ずにタイトルと作者名だけでゲットしてしまったので)、なんとパリで生活をしている(=メシ代を稼ぎ出せている)人たちのお話。

スタイリストの方の「プロと最終地点」という項目には、ものすごーく考えさせられました。

私は音楽家としてプロだと思えるようになったのは、ベルフィルの研修生に合格したり、1枚も招待券を配らず、100人単位で集客ができるようになった頃からでしょうか。

いつになったらプロと言えるのか、お金を稼げてればそれでプロなのか? という疑問に対して、この本では

「制約とかやりたくないこととかあるけど、その中で自分のやりたいことをやれるのがプロ。いかなる条件でも一番いいものを残せるようになったらプロ……(以下、略)」

と書かれてあって、なるほど~と叫んでしまいました。(電車の隣の席の方、びっくりさせてごめんなさい)

手仕事に情熱を燃やすテーラーでは、幼馴染を思い出す。彼は、イギリスへ単身わたって、有名なお店でテーラーとなって、凱旋帰国を果たした。その彼に、なんだかちょっぴり似ている。

不法占拠アトリエで自由になったアーティストはあこがれる生き方ではあるが、きっと私にはできない。あまりにも日本人的な考え方にとらわれ過ぎていて、私はこうあるべき。と枠にはめたがっていて、枠からちょっとでも出ると不安になってしまうから。

そんなことを言いながら、仕事を捨てて、イタリアやウィーンに行っちゃうあたり、私は大きな矛盾を抱えているのだけれど。

イタリアのときは、お金を稼ぐのは想像以上に大変だったのですが、ウィーンでは、歌うことでお金が入ってきて、アパート代も出せちゃったんで、「こんな生き方もあり!?」と思ってしまいました。

・・・と言いながら日本で手伝っていた仕事がトラぶって急きょ帰国したまま、日本がまたベースになっている私ですが。

そんな矛盾を抱えながら生きるのも、「人はどうにでも生きられる」というこの本のメッセージが、背中を押してくれるようなそんな気がしてたまりません。

ますます、著者に会いたくなりました。

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