9年間で売上高約5倍! 成熟産業で急成長を遂げる「ザクとうふ」の哲学とその背景
東急不動産が11月7日(金)にオープンした「ビジネスエアポート東京」で、麹町アカデミアとコラボレーションした「遊学堂」をオープン。そのオープニングセミナーの第一回が、相模屋食料の鳥越淳司社長による「『ザクとうふ』の哲学」でした。
今年4月に麹町アカデミアで「キャリアを語るシリーズ3 秋山ゆかり プロフェッショナリズム」を講演させていただいたご縁で、こちらのオープニングセミナーにお邪魔してきました。
メモしまくりの非常に面白い講演でした!
陳列が非常に気になる!
冒頭から、遊学堂にディスプレイされた相模屋のお豆腐の品々のディスプレイをいじる鳥越氏。陳列にも工夫があるのだと、雪印時代に学んだバスタブ理論の解説をしながら、少しでも見栄えがよくなるように手直しをしていく姿がとっても印象的でした。
ビジネスには王道戦とゲリラ戦があるというお話をしながら、「アホも極めるといい!」と言い切るあたりも、どんな経営をしているのか、興味が湧きます。
9年間で売上高5倍に成長
「ザクとうふ」で伸びた会社ではありません。
ザク豆腐は売上の1%未満で、成熟産業であるお豆腐業界で、本業の木綿豆腐で勝負をして、急成長をした会社です。
平成16年に32億だった売上高が、平成25年には157億円と、9年間で5倍に成長を遂げたのは、なぜか? しかも成熟産業で、デフレの時期。
その秘密は、基本に忠実で、美味しさを追求したお豆腐作りと、高品質で安定供給をできる日本最大のお豆腐製造工場による、1日100万丁のお豆腐生産能力!
工場への投資は当時の売上高を超える41億円もしたそうです。そして、大量の売り先として生協との取引を勝ち取り(営業マンはなんと9人体制だそう!)、その取引先である生協から1000項目の改善要求をされ、社員全員で必死になって稼働に向けて勝負する「壮絶な日々」を経て、工場の稼働。
麹町アカデミア&遊学堂の学頭の秋山進さんのインタビューが絶妙な形で進められて、この「壮絶な日々」のエピソード満載で、ワクワク、ドキドキしました。
市場には業績を伸ばす機会となる「変化の一瞬」がある
どんな業界でも、市場では業績を伸ばす機会となる「変化の一瞬」があり、それは自分で作りだせるのだと強調していた姿に、「成熟産業だからもうダメだ。他の市場はどこだ?」と走り回る前に、私も「ホントにここはダメなのか!?」と自問自答もっとすべきだと反省しました。
「ひらめき、思い付きは全部やる。たどりつかなかったら途中で止まるが、とにかく全部する。」
熱量が高い鳥越氏に圧倒されるだけでなく、自分の仕事のやり方を振り返る非常にいいセミナーでした。
お土産は、太っ腹なセット。現在力をいれている機能性お豆腐をたくさんいれてくださいました。ダイエットのためのお豆腐、指名買いされるようなものになりたい、機能性でありながらお豆腐の本質に迫りたい!と熱く語られたナチュラルとうふ。
実は、モデルの友人がこのナチュラルとうふの愛用者で、このセミナーに来る前に食べていたのですが、パンプキン味含め4つも入っていました。そして、お豆腐鍋2つに、『「ザクとうふ」の哲学』が入った超豪華太っ腹なお土産でした!
[amazonjs asin=”4569821448″ locale=”JP” title=”「ザクとうふ」の哲学”] 今回のセミナーで触れられていた内容も多いのですが、詳細がつづられています。お豆腐を機械化して作ることを極めていく課程で、「どうしてこんな製法なのか?どうしてこんなパッケージなのか?どうしてこんな流通なのか?」 その理由を徹底的に考えていくところは、メーカーに勤める人には非常に参考になると思います。
「 「それはなぜか」という理由が分かれば未来が見える。やるべきことが見えてくる。考える過程を通じ、やるべきことが、世の中から見て正しいこと、歴史の観点からなすべきこと、その商品が望んでいることと確信が持てれば、思い切ってチャレンジする。」
ブレない姿勢でもう突進していく先に、成熟産業でも道は開けるのだと、多くの学びが詰まった1冊です。
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