グローバル・アライアンスのケース・スタディ
BCG・GEと2社の先輩である早稲田大の池上 重輔先生が、グローバル・アライアンスの新しいケースをトライアルしたいと、祝日に友人・知人・卒業生を緊急招集。
たまたま11日の祝日は、子供が父親とお出かけしていていなかったので、これ幸いと早稲田大へ行ってきました。
私は事業開発を専門に実務を行って来ているので、グローバル・アライアンスの実務経験豊富ですが、その理論はまったくカバーしておらず、「グローバル・アライアンスの理論なんて、あったっけ??」と、いただいたケースを読みながら、疑問を持ってしまいました。
ここは池上先生に教えてもらおう!
事前に送られてきたケースを熟読した後、自分が過去20年くらいやったグローバル・アライアンスを思い出し、うまく行ったケースといかなかったケースの要因を考えてみました。戦略的な要因だけでなく、文化的要素も大きいなぁと、あれ、これって結婚に似てる?とか、思考はどんどん発散していき・・・ 全然まとまりませんでした(笑)。
このケースディスカッションで、池上先生から教えていただいたのが、戦略的提携(他の組織との提携を通じて環境適応を行うこと)についての理論分野の蓄積は乏しく、長い間「理論家の孤児」と呼ばれていた(Borys, B & D.B. Jemison, 1989)こと。自分の備忘録として、ブログに論文をリストしておきます。
80年代末から徐々に研究が進み昨今はいくつかの理論フレームワークも出てきているそうです。いくつかの論文を教えていただきました。
- Borys, B & D.B. Jemison (1989) Hybrid Arrangements as Strategic Alliances: Theoretical Issues in Organizational Combinations
- Hamel, Doz & Praharad (1989) 「Collaborate with Your Competitors—and Win」
日本の企業は比較的戦略的提携を有効に活用している - Barney(2002) どの論文か分からないが、対象の選定、多角化のフレームワークがある
Impactの大きさ×難易度×スピードで選ぶケースについてのディスカッション - Dyer, Kale & Singh(2004) When to Ally and When to Acquire
シナジー、リソース、マーケットの状況によって、アライアンスか買収かを検討するフレームワーク - Liu & Woywode (2013) Light-Touch Integration of Chinese Cross-Border M&A: The Influences of Culture and Absorptive Capacity
Synergy Potential, Culture Influence, Learning(adoption capability)などのフレームワークが出ている - Martin Reeves (2015) Your Strategy Needs a Strategy
BCGでメンターだったMartinの本から!
予測可能性×可変可能性のマトリックスから戦略を決める - Thunderbird International Business Review Vol. 55 No 4
Hard/Soft integration について書かれている
論文を調べてみると、「へぇ~~知らなかった~」と思うことや、ここは実務ではちょっと違うと思うなぁ、じゃぁ、どんな風にこれを応用したらいいんだろう?と考えさせられます。実務の経験を理論をもとに、整理してみると、腹落ちするものも多く、改めて、こういうディスカッション・セッションに参加する機会があって良かったと思いました!
池上先生、ありがとうございます!
最後に参加者全員で集合写真。
こうしてみると、私すごく小さい・・・と、そこにショックを受けるのでした。
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