天才と狂人の間
最近いろいろあるので杉森久英の直木賞受賞作「天才と狂人の間」を読み直しています。
弱冠二十歳にして書いた長編小説「地上」がベストセラーになり、時の人となった島田清次郎の生涯がベースです。当時は関係者が存命だったため、一部は脚色されているとのことですが。
少年時代から、自分を天才だと信じた島田は、「地上」で脚光を浴びることによって、さらに傲慢で尊大、妄想的な自尊心を募らせてゆき、絶頂の時に起こしたスキャンダルでマスコミに叩かれ、精神病を発病し、死んでしまいます。
誰の心の中にもある「高慢心」。
自分の心の中にもある。
いろいろあるときだからこそ、気をつけよう。
それにしても昭和37年に出版されている版しか手元にないので、とても読みにくいです。
(総合評価:★★★★☆ 自分を戒めるためには必要な本)
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