潜水服は蝶の夢を見る

Photo2007年カンヌ映画祭監督賞受賞作品の映画の原作
、ジャン=ドミニック・ボービー氏の「潜水服は蝶の夢を見る」。99年頃に、入院先の病院のベッドの上で読んだ記憶があるのですが、内容を鮮明に覚えていなかったため、そして、本は自宅の書庫から見つからなかったので、再度購入し、読み直しました。

内容紹介
難病ロックトイン症候群がすべての身体的自由を奪った!
『ELLE』編集長が20万回の瞬きで綴る奇跡の手記「潜水服は蝶の夢を見る」本書は映画化され、2007年度カンヌ映画祭で監督賞受賞し、2月上旬から渋谷シネマライズほかで、全国ロードショー公開されます。
著者のジャン=ドミニック・ボービー氏は、1952年生まれ。ジャーナリストとして数紙を渡り歩いた後、世界的なファッション雑誌、『ELLE』の編集長に就任しました。名編集長として名を馳せますが、1995年12月8日、突然脳出血で倒れ、ロックトイン・シンドロームと呼ばれる、身体的自由を全て奪われた状態に陥ってしまったのです。まだ働き盛りの43歳でした。病床にありながらも、唯一自由に動かせる左目の瞬きだけで本書を「執筆」しました。本書は大きな話題を呼び、フランスだけでなく、世界28か国で出版される世界的なベストセラーとなりました。しかし、1997年3月9日、突然死去。本書がフランスで出版されたわずか2日後のことだったのです。

この9年の間に、私も自分で本を書くようになったから、その苦労が分かるようになったからかもしれませんが、20万回のまばたきでこの本を書いたことを思うと、それだけで、気が遠くなる作業を乗り越えてでも伝えたかったことは何なのかを必死で本文の中から読み取ろうとしている自分に気づきました。
9年前は、希望を捨てず生き続けようとする意思の強さに影響されましたが(法定伝染病第一種に感染して隔離されて、特殊な環境にいたのと、1日ばかり生死のふちをさまよった後、なんとか助かった直後の、不思議な高揚感に包まれていたときだったからだと思います)、今回は、20万回の瞬きで伝えようとする「自分がここに存在することの意味」の方が、より強いメッセージとして、伝わってきました。
本って読むタイミングによって自分がそこから感じとるものが異なるので、私はいいなと思った作品や気になる作品は何度でも読み返す派なのですが、この作品、また10年の歳月を経て読み直すと、きっと違った感想を持つのだろうと思いました。今回は、家族の介護について思うところももちろんあったのですが、10年後はもっとそれを強く感じるのだろうと。
(総合評価:★★★★★ 映画も観に行ってみたいです)


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