大人の友情
最近、ネット接続の悪い環境に出張していたため、ブログの更新が遅れています。やっと更新です。ご無沙汰してしまいました。
臨床心理学者・心理療法家の 河合 隼雄氏の「こころの処方箋」は大好きな本でした。昨年夏に亡くなられて、彼のエッセイがもうこの世に出てこないかと思うと悲しくなります。
さて、最近、友情に関して、いろいろと悩んでいたので、手にとった「大人の友情」。
友情を支えるものは何かを説いた章では、白州正子さんの「いまなぜ青山次郎なのか」から、小林秀雄と大岡昇平の友情の話が出てきたり、裏切りの章では、またまた白州正子さんの本から、小林秀雄が中原中也の恋人を取った話が出てきたり、具体例たっぷりで、面白く分析させていただきました。
ちょうど2ヶ月前に「中原中也との愛―ゆきてかへらぬ」について、こちらに書いたばかりだったので、記憶がフレッシュ。そういう見方もできるのかと、ますます考えさせられてしまいました。
「同一性」「うっとおしさ」このあたりは、最近私が、悩んでいることに対して、大いなるヒントをくれました。
友情というトピックとはちょっと脱線してしまうのですが、この本の中で出てきた最高の言葉は、「イライラしているときは、何かを見通していないからだ」という1文。
ちょうど、イライラしていたこともあって、この1行に出会って、ふっと一歩引いたところから考えてみたら、答えが出ました。
大人になると友情の形はとても難しくなるように思っていたのですが、それについてこうしてヒントをちりばめたエッセイを書いてくださった河合先生がもういらっしゃらないのは、本当に残念でたまりません。空の上から、ばたばたもがいている私たちを見ながら、「やっとるなぁ~」と思われていらっしゃるのかもしれませんね。(合掌)
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