ボクたちクラシックつながり ピアニストが読む音楽マンガ
函館行きの飛行機の中で、笑い転げながら、ピアニストの青柳 いづみこさんの「ボクたちクラシックつながり ピアニストが読む音楽マンガ」を読みました。
内容(「BOOK」データベースより)
どうして音楽を聴いただけですぐに弾けるの?オーケストラが鳴る指揮者とは?『のだめカンタービレ』『ピアノの森』『神童』など音楽マンガを読み解き、クラシックの世界の深奥に誘う。
子供の頃、音大に進学したいと言ったら、父親から、「食べて行けないからやめておけ」と言われ、いかに食べられないかということを証明(?)するために、うちにジュリアードやバークリーなど、名だたる音大をトップで卒業してきた人をつれてきて、その人たちがどんな生活を送っているのか、彼らの口から直接聞くという場をセッティング。お話を聞いていたときは、それほど切実さを感じなかったのですが、帰り際に、持参したタッパにテーブルの上に残っていた食事をすべて詰め込み始めたときに、「ちょっと、この人たち大丈夫!?」と思いはじめ、帰るときに、「これで2週間くらいはおなかがすかない」とにこやかに言ったのが、強烈なパンチでした。そして進学は親のススメ通り、理工学部になるんだろうなぁ...と思っていた矢先に、ある出来事が。
某所でピアノ弾きのバイトをしていたのですが、「来年から自動演奏機入れるからこなくていいよ」と言われ、理由を問いただすと、「自動演奏機の方が安いから。」自分の価値は、機械以下なんだと思い知らされ、音大進学を断念。
しかし、30を過ぎて、イタリアへ音楽留学をしてしまい、その後プロとして活動をし始めて、ここでもまた、「本業があって良かった〜〜。音楽だけじゃ食べて行けない」と実感する日々です。
...そんな私がこの本を読むと、「私ってやっぱり不良債権なんだっ!!」という感想。
あまりに面白いので、中身がもっと分かるように、目次も載せておきます。
第1章:一回読譜したらとっととやるぞ!
第2章:楽譜どおり弾け!
第3章:バレンボイム対ホロビッツ!?
第4章:コンクール派と非コンクール派
第5章:留学
第6章:指揮者の謎
第7章:コンサートで受けるプログラム
第8章:音楽は人間が出る?
第9章:ピアニストは本当に不良債権か?
第3章、4章、5章あたりで、クラシックな人の志向が分かり、第9章では「私たちは不良債権だもんね〜」と開き直ってしまう、もう笑うしかない!という内容です。
それにしても、この本にも書いてありますが、収入ゼロが2万人。300万以上の年収がある人が全体の0.05%って、いったいどういう業界なんだろうか!? 私も、音楽だけでいうと、この99.95%の1人です。これじゃいけないと、来年以降はあれこれと画策するも、この不況で、なかなかスポンサーも見つからず。
やはり、本業で培った能力をもう少し音楽でも活かすべきなんだろうけれど、今は自分のレベルアップを目指してしまって、赤にならなきゃいいや、というスタンス。本当にこれでいいのだろうか!?
クラシックをやっている人も、クラシックをやってる人たちの生態を知りたい人にも、そして、これからクラシックをやっていこうと思っている人へ、おススメの1冊です。
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