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Photo10月に公開される映画「引き出しの中のラブレター」の原作を読みました。

内容(「BOOK」データベースより)
あなたの言葉を、待ってる人がいます―結婚と仕事の間で苦悩するラジオ・パーソナリティ。シングルマザーの道を選んだ女性。今の自分に納得がいかず、しかし一歩が踏み出せないショップ店員。高校卒業を控え、進路に悩む少年。ある出来事がきっかけで、笑う事を忘れてしまった男性。親友に裏切られ、未来ではなく、「今」を楽しく生きることに決めた女…。小説内で苦悩する登場人物たち、それはもしかしたら「未来」のあなたの姿かもしれない。

メールが一般的となった今でも、私はよく手紙を書きます。もちろん、学生時代に、メールを使っている友人がほとんどいなかった頃よりはずっと手紙を書く量は減ったけれども、やはり、自分の字で綴った手紙の方が、より自分の想いが伝わるのではないかと思い、特にご年配の方々には、手紙を出すことが多いです。
だからかもしれませんが、p.201に出てくる文章にどきりとさせられました。

手紙というのは、ある意味で一方的な告白であり、こちらの反論や思いは相手には届かない。

思いを伝えることの大切さと、そして、難しさをこの本は描いています。しかし、伝えたいと思った時に相手がもう存在しないかもしれないことを考えると、どういう形でもいいから、思いをきちんと伝えることが大事だと語りかけているように思います。
そして、バラバラに見えた登場人物が、ラジオを通じて繋がっている不思議さ。皆、抱えている悩みは違うのだけれど、それぞれが、一生懸命に悩んで生きている姿が描かれていて、登場人物と同じように、喜んだり、涙を流したり... 映像化しやすい小説でした。どのように映画化されているのか、非常に興味が湧きます。
また、父親の不器用さというのも非常にうまく描けていて、自分の父について思い出を辿るきっかけになりました。
秋の夜長におススメの小説です。


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