森麻季ソプラノリサイタル2008
森麻季さんの「森麻季ソプラノ・リサイタル2008」に行ってきました。
9月下旬に出産予定とのことで、曲目は当初発表のものよりもずいぶんと変更になっていて、非常に残念ですが、先生とも話していたのですが、やはり腹式をあまり使わなくてもいい曲目にすることで、体への負担を考えているプログラムになっているとか。
プログラムは後で記載するとして...
実は、彼女のソロコンサートを観に行くのは初めて。
噂通り、彼女はとっても頭のいい人で優等生タイプだと思いました。
うがった見方かもしれないけれど、同じコロでプロの端くれとして言わせていただきたい。
マーラー4番の「天上の生活」を持ってくるあたり、今の体調を考えると、しかし、それなりのポジションの人であればそれなりのものを歌わなければいけない、だから、マーラー。頭のいい彼女の考えそうなことです。
これだけリートを入れたり、難曲を歌える。それだけレパートリーがあるというのは素晴らしいことです。真似できません。勉強にものすごく時間がかかるのは知っています。だから、尊敬します。でも、そういうプログラムの組み方が果たして本当にいいのでしょうか!?
周囲の人の反応は(身内じゃない全く知らない人数名と話し込んでいたのですが)、「私、声楽は詳しくないから、全然楽しめないのよね。声がキレイというのは分かったけれど、声楽のコンサートってこんなものなのかしら?」 「話題の人だけれど1回でいいよね」「なんか楽しさに欠けるコンサートで、クラシックってやっぱり敷居が高いのかな?」
しかも最初の3曲を歌った後、袖に行ってしまい、アナウンスが流れました。「デジタル音が聞こえますので消してください」と、数回(全然戻って来なかったし)。プロなんだからデジタル音がしようがどんな環境でもちゃんと歌えないとダメ、というのは、渡辺先生の受け売りだけれど、私は本当にそう思う。
どの方も声は透明感があってキレイとおっしゃるけれど、曲目に動かされていない。それもそのはず。だって、一般の人にはメジャーなものではないし、コロラトゥーラソプラノの彼女のいいところを出せる曲は、アンコールにやったムゼッタのワルツとリンダだけでしょう。しかも、リンダは途中から歌い始めるし...(ありえなーーーい!! しかも、カデンツァの選び方、あれはどうよ?と思わず持っていたリッチをチェックしちゃいました。あのカデンツァは客騙し。抜けてる音も多かった。)
非常にキレイな声でした。でもね、揺り動かされるものが無い。Apple voiceと海外で批評される理由はここにあると思う。優等生で絶対に失敗はしない。でも、ものすごく動かす何かが欠けている。妊娠中で体を気遣っているからかもしれないけれど、それにしてもこの選曲はいかがなものか!?
森麻季さんはとっても好きな歌手で憧れていて私もあんなふうにカデンツァを歌えるようになりたいと心から思っています。しかし、今回のコンサートはとってもがっかりでした。
体に負担がかからない曲を選ぶのであっても、もう少し選び方があっただろうに...
それだけが心残りで溜まりません。7月末で産休に入り、11月から復帰予定だそうで、今後の彼女をみたくて、さっそく12月のドレスデンとのコンサートのチケットをゲットしてしまいました。子供が生まれた後の彼女がどうなるのか、とても興味があります。
ところで、私事ですが、彼女のコンサートを見て、強く思いました。
やっぱり、オペラシティで歌えるようになりたい。
....ということで、仕事専念モードだったんですが、やっぱり、もう少し音楽活動をやろうと思います(ここで宣言)。仕事関係先のクラシックレーベルが契約してくれないかなぁ〜〜 社内工作してみようかな...と思った1日でした。
元気な赤ちゃんが生まれますように、お祈りしております。
ところで、メイクの合田さんいらしてたのかなー。森さんのメイクはすべて合田さん担当なのです。
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