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英語はカジュアルに話していい言語だと思っている方も少なくないかと思いますが、英語でも日本語と同じように敬語が使われています。

 

気にする人はかなり気にするので、私は、海外から来客がある場合は、その人にはどのくらいの丁寧さで話せばいいか、事前にリサーチをしたりレベル感を打ち合わせしたりして、お客様をお迎えしています。

 

日本語の敬語にはルールがありますが、英語の敬語にもルールがあります。基本的に、“相手からどれだけ下がったか”によって、丁寧度を測ります。

 

食事の席でだれかに塩を取ってほしいと頼むときを例に、表現の変化を見ていきましょう。

 

下へ行くほど丁寧度が上がります。

 

1: Pass me the salt.

命令形で全然退いていないので、丁寧レベル0です。

 

2:Please pass me the salt.

Pleaseをつけているだけなので、丁寧度が少し上がります。

 

3: Can you pass me the salt?

4: Will you pass me the salt?

この2つは最低限の丁寧さなので、普段の会話に結構出てきます。助動詞を使うことで、相手が置かれている状況と相手の意思を聞くことになり、直接的ではないため、一歩退いた感じを与えます。3は、“状況”が許すかどうか(can)を、4は、“意思”(will)を聞いているため、4の方が丁寧です。

 

5: Could you pass me the salt?

6: Would you pass me the salt?

過去形(could/would)を使っているため、さらに一歩退いたことになります。助動詞は過去形になると「もし可能だったら」「もしよかったら」という“仮定”のニュアンスが出ます。「ダメかもしれないけど、頼んでみようかな」という控えめな感じです。5と6の違いは、3と4の違いと同じです。

 

7: Would you mind passing me the salt?

Mindを入れることで、「気にさわらなければ、~していただきたいわ」という相手を思いやる気持ちが入るので、さらに一歩退いたことになり、6よりも丁寧になります。

 

8: I don’t suppose you would pass me the salt.

9: I wonder if you would be kind enough to pass me the salt.

8と9は、3~7までとは違って、疑問文の形になっていません。したがって、Yes/Noの返事を明確には期待していないのです。だから、さらに一歩退いた印象になります。8は、否定文を使うことで、”No.って言っていいんですよ“という相手に対する思いやりが込められています。9は、相手に対してお願いをしているわけではなく、独り言のような言い方なので、最も丁寧に聞こえます。

 

 

このように、相手からどれだけ下がるかを変えていくことで、思いやりの気持ちを表現できるのです。これが英語の敬語です。

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