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絵: かたぎりもとこ

絵: かたぎりもとこ

ここまでくると職業病だなぁと思わないでもないのですが、私はレストランに入るたびにそのレストランの売上シミュレーションをしてしまいます。人の出入りで流行っているか流行っていないかはわかるのですが、あとどのくらいこのお店が持つかどうかは、売上予測とコスト試算でだいたい目安がつきます(お店にとっては、イヤな客ですね…‥)。

 

今回は、レストランでの売上予測の立て方を一緒にエクササイズしましょう。

 

まず、お店がランチだけなのか、ディナーだけなのか、ランチもディナーもやっているのかを調べます。理由は、ランチの時間とディナーの時間では、出しているメニューの単価が違うためです。ここでは話を簡単にするために、ディナーだけやっているイタリアンレストランに行ったことにしましょう。

 

売上を試算するための数式は次の通りです。

 

売上=1人あたりの単価×人数(1人あたり食事に使う金額×何人が食べたか)

 

そこで、まず、1人の人がいくらくらい使うお店なのか考えてみましょう。

 

飲み物を考えてみましょう。アルコールを飲むか飲まないかで金額がだいぶ変わってきます。ここではアルコールを飲むと仮定し、ワインをグラスで2杯(自と赤)を飲んだと仮定すると、だいたい2000円くらいになるでしょうか(ハウスワインのグラス1杯1000円と仮定)。

 

食事のほうを考えてみましょう。イタリアンレストランで出されるメニューを考えてみると、アンティパスト(前菜)、プリモピアット(第1の皿。ハスタがメイン)、セコンドピアット(第2の皿。肉・魚などがメイン)、ドルチェ(デザート)、カフェというような構成が一般的です。それぞれの平均単価を考えてみましょう。

 

アンティパスト: 1000円くらい

プリモピアット: 1500円くらい

セコンドピアット:2000円くらい

ドルチェ: 500円くらい

カフェ: 500円くらい

 

1人5500円くらい。飲み物とあわせると、7500円くらいのディナーですね。

 

次に一晩にどのくらいのお客さんが入るかを計算しましょう。入ってくる人を数えるという方法もありますが、私は次の式を使って試算します。

 

1日の平均利用者数=テーブルの数×テーブルに着席できる人数×オープンしている時

間×回転率×満席度

 

さっとお店を見たときに、だいたいどのくらいのテーブル数か把握できるので、これをベースにお店に1回に入る人数を計算します。たとえばテーブルが10卓あって、各テーブル4名ずつ座れるとすると、40名が入れるお店になります。次に一晩に何組がそのテーブルを利用するかを考えます。お店があいているのは、午後7時から午後12時だとしましょう。5時間あいているお店で、1回の食事がだいたい2時間だとすると、最大1テーブル2組が使えることになります。40名が2回で、80名が一晩に入れることになります。しかし、常に満席とは限りません。お店をさっと見回すと、70%程度しか埋まっていないとすると、満席度は70%です。

56名が一晩にこのお店を利用すると言えます。

 

1日の売上=7500円× 56名= 42万円

 

このお店は1日42万円の売上があるお店だと試算できます。

 

もし、ランチもやっているお店であれば、ランチも同じように計算をして、足せば良いのです。

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