【本】悪人

PhotoPhoto_24年ぶりにぎっくり腰をやってしまい、それでもぎっくり腰をやった当日の打ち合わせは根性で出たのですが、その後はホントに辛くって、すべての仕事をキャンセルして、半寝たきり生活。ベッドの側にある本以外はもちろん手に取れず(それを取るのも最初はとても大変で、本当に寝たきりだったんですが)、少しよくなって寝返りが打てるようになった頃から、読書三昧。といってもベッドの横にある本がメインなので、自分で自由に選べるわけではないところが辛いのですが...
深津絵里さんがモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞して、話題となっている「悪人」。吉田修一さんの原作「悪人」を読みました。受賞前から、「読みたいなぁ〜」と思って、ベッドの横に積み上げていた本。本当はもっと元気になるような本が読みたかったのですが、手が届かないのだから、わがままは言えません。

内容紹介(amazon.co.jpより)

福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃が、携帯サイトで知り合った金髪の土木作業員に殺害された。二人が本当に会いたかった相手は誰だったのか? 佐賀市内に双子の妹と暮らす馬込光代もまた、何もない平凡な生活から逃れるため、出会い系サイトへアクセスする。そこで運命の相手と確信できる男に出会えた光代だったが、彼は殺人を犯していた。彼女は自首しようとする男を止め、一緒にいたいと強く願う。光代を駆り立てるものは何か? その一方で、被害者と加害者に向けられた悪意と戦う家族たちがいた。誰がいったい悪人なのか? 事件の果てに明かされる殺意の奥にあるものは? 毎日出版文化賞と大佛次郎賞受賞した著者の最高傑作、待望の文庫化。

最後の最後まで「誰が本当の悪人なのか?」と問い続ける作品です。すべての人の心の中に、善と悪が存在していて、その人の存在自体が「悪」と言い切れるのか?あるいは、「悪ではない」と言い切れるのか?考え込んでしまいました。
結局、祐一は殺人を犯してしまったけれども、自分を捨てた母親の罪の意識を軽減させるべくあえてお金をせびったり、恋人(?)の光代をかばうために捕まる前に殺意を装い、また、自供では、彼女を金づるとしてみていなかった、愛してなんかいなかったと言う。それゆえに、本来であれば祐一の自首をとめて逃げることを勧め一緒に逃げた光代は「悪人」となるはずなのに、「被害者」となり「善」とみなされる。
しかも、祐一が殺した佳乃にだって問題あり。彼女だって「悪」な部分を多く持ってるよね? 佳乃を車から蹴りだした、でも殺人は犯していない増尾は悪ではないのか?佳乃の実家に悪意に満ちたFAXを送る匿名の人たちは悪ではないのか!? 
この中で、本当に善意を持っている人として描かれているのは、唯一バスの運転手ではないか?
こうしてみていくと、すべての人の心の中に悪は潜んでいて、それが何かの加減で表に出てくるだけではないのだろうかと思うのです。
そういえば、以前、私の知人が非常に著名になった際、彼女のベストセラーの謝辞に私の名前が入っていて、それが理由で私は大量(600百通を超えます!)の悪意に満ちたメールを受け取ったことがありました。「あなたはKさんの友人にふさわしくない、その理由は...」などというメールがメインだったのですが、なんで私がこんなこと言われなきゃいけないのよ?と思ったことがあります。そして、最近では彼女について週刊誌の記者達からの電話やメール。某誌などは脅しに近い内容の電話で、もちろん録音させていだき、もう一度やったら警察に相談すると最終通告をしました。ちなみに、私の電話番号は、共通の知り合いが週刊誌に出したそうです。もちろん、謝礼はもらったそうです。その金額をきいて、ありえない...と思いました。そこまでお金に困っている子ではありません(きっぱり)。
この本の中でも、被害者の家族にFAXが送られてくるシーンがあるのですが、知らない人がクビ突っ込むことじゃないんじゃないの!?と、私が怒っても仕方ないのですが、かなりむかつきました。あ、フィクションでしたね、これ。
この本は、どんな人の中にでも悪が潜んでおり、どの面から光をあてることで、その人が悪なのか、善なのかを言いたかったのではないかなぁと思いました。
ちなみに、私の中にも悪人はいます。コンサートの時はものすごく緊張するのですが、私よりも前に演奏される方が、観客に分からないけれども、音楽を専門的にやっている人には分かるミスをすると、「やったぁ〜」と思います。これで私もミスできる...って、緊張がとけます。共演者の皆様、ホントに申し訳ありません〜〜〜


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