Extreme Toyota(トヨタの知識創造経営)
大学院の宣伝をしているわけではないのですが、ICSの大園先生、清水先生、竹内先生が書かれた「Extreme Toyota (トヨタの知識創造経営)」を読みました。
#確かに竹内先生は猛烈にこの本のPRをしておりますが、一読者として純粋にレビューを書くだけです。(私は単位は必要ないし、お三方は担当教官では無いもの〜)
##ちなみに、日本語版は6月21日発売だそう。
内容紹介(Amazon.co.jpより)
『Extreme Toyota』待望の邦訳。
アメリカ先行発売、ハーバード・ビジネス・レビュー誌も取り上げた注目作!人材力と組織力を連続的に成長させる新時代の経営モデル。
「本書は、これまでにない徹底的な調査研究によって、世界最高の会社のひとつであるトヨタの本質を明らかにした。日本で最も革新的なビジネススクールで教える著者たちは、トヨタが単にその生産方式にとどまらず、ユニークなマーケティング、販売、人的資源管理へのアプローチによって成功したと指摘している。トヨタは自動車製造を知識主導産業へと作り変えた。トヨタは、明らかに矛盾する事象を管理する能力によって、継続的なイノベーションや自己革新をはかっている」~マイケル・E・ポーター(ハーバード大学ユニバーシティ・プロフェッサー)
「IBMのビジネスリーダーシップ・フォーラムにおいてトヨタの張富士夫会長は、グローバル企業の唯一最大の課題は、価値の高いスキルを確保することだと述べた。本書は、この驚くべき企業がいかに資源を『訓練、訓練、また訓練』に費やしているか、また今日のビジネスが業務の効率性や戦略だけでなく、いかに人材に依存しているかを示している。また、本書は、トヨタは経営のソフトな面、企業文化、関係性の構築、コミュニケーションなどにおいて、いかにすぐれているかを示している。経営幹部にとって、現代のグローバル経済におけるイノベーション、競争における差別化、成長の真の要因を知るための必読書である」~サミュエル・J・パルミサーノ(IBM会長兼社長兼CEO)
なんでToyotaみたいなTraditional Japanese CompanyがSionみたいな車を出して、あんな広告ができるんだろう!?
ジェネレーションYをターゲットにした奇抜なマーケティングにトヨタらしさを全く感じず、しかし、ジェネレーションYの心はがっちり掴んだなと手応えのあったSionプロジェクトの秘密がこの本を読むと分かります。
トヨタという独特の文化の中でSionをあぁいう形で出せるのはホントに凄いっ!!と、心から尊敬していたので、その謎を解き明かしてくれたこの本は、「なんだか今ひとつ壁が破れないんだよっ」と思うビジネスパーソンに是非読んでいただきたい本だと思いました。
大園先生が6年に渡りトヨタを追いかけていたことによるトヨタに関する知見。竹内先生が途中から参加し、トヨタ教(私はトヨタ文化は一種の宗教だと思っています)に染まっていないことから出てきた素朴な疑問を答えて行ったであろう分析。こういうチームでなければ成し得なかったであろう示唆深いケーススタディとなっています。
1つ注意が必要なのはトヨタクラスの大規模企業で働く私にとってはあくまでも「参考」にしかならないということ。こういういい点をすべて真似るのは無理。しかし、自分のチームにとって、あるいは自分の会社にとって、取り入れられる部分があるのであれば、それをどういう形で取り入れ、自分の会社の文化として根付かせるのか、考えるヒントが詰まっております。そういう視点で本を読むと、とってもいい本です。
ところで、竹内先生が本のタイトルが気に入らないとおっしゃっていました。本当は”Green Tomato”にしたかったそうです。いつまでも自分たちが完成形ではないというトヨタの精神を表現したかったからだそうですが、出版社からNGを出されたとか。個人的には、Green Tomatoの方が良かったな〜、と思います。それにしても、この日本語の面白くないタイトル、なんとかならないものなのでしょうか!?
(総合評価:★★★★☆ 私の素朴な疑問にダイレクトに答えてくれた本。会社の人に読むのを勧めたいと思いました)
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