奇跡の歌――声を失った天才テノール歌手の復活
「奇跡の歌――声を失った天才テノール歌手の復活 」を読みました。
内容紹介(amazon.co.jpより)
百年に一人の逸材と称されたアジア屈指の韓国人オペラ歌手、べー・チェチョル。甲状腺がんに倒れ突然声を失いながらも、奇跡の復活を遂げた彼の、絶望から再起までを綴った感動の手記。一度失い、再び授けられた「新しい声」に熱き感謝と祈りを込めて。
彼の声の素晴らしさは、ずいぶん前から耳にしており、チャンスがあれば生で見たい!と思っていたら、2003年に来日。ヴェルディのトロヴァトーレをオーチャードホールで歌った際に、聞きに行き、その素晴らしい声に魅了されました。
韓国人のテノール歌手のペー・チェチョルさんが、甲状腺がんと診断されたのは2005年のこと。オペラ界に大きな衝撃を与えました。オペラ歌手として100年に1人と言われた人だからです。そんな彼が声を失うなんて...どうやって生きて行くんだろう?と、心配をしていたところ、日本人医師の元で、治療を行うらしい、もしかしたら声が戻るかも、というニュースを耳にしました。その後、彼の話はあまり聞かず、どうなっているんだろう?と思っていたところ、最近、この本が出たことを知り、手に取りました。
これだけ辛い出来事を、今だからなのかもしれませんが、淡々と綴っているのが、とても気になりました。絶望から再起までと帯にはあるけれど、まだ再起の真ん中なんではないかと思います。失ってから気づくものがあるのだと、この本で彼は訴えているけれど、この素晴らしい声と引き換えにしたものは、それ以上に大きなものであることを祈るばかりです。
残念なことに、来日コンサートのチケットは入手できなかったのですが、これからも彼の活動を応援したいと思い、CDを購入しました。生まれ変わった彼の声は、前とは違うけれども、素晴らしい声です。そして、彼と彼の家族や友人が通ってきたこの4年間に、お疲れさまと、そして、陰ながらこれからも応援していきますと、お伝えしたい気持ちでいっぱいになりました。
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