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金曜日に中川右介さんとお食事をすることになったので、なんとしてもそれまでに読みきらねばならぬ「世界の10大オーケストラ」。

先日ブログにも書きましたが、この本、新書にはありえない分厚さで、読むのを躊躇してしまう長さ。

出張が続いていたので、移動の飛行機や新幹線の中で読めばいいやとタカをくくっていたのですが、過酷なスケジュールから睡眠時間が3時間をきる日々で移動中は爆睡。どのくらいの爆睡かというと、飛行機の席に座ったとたんに寝て離陸に気づかず、着陸後、フライトアテンダントに「お客様、もう飛行機は到着しております」と最後の1人となって起こされるくらい。本など読めたものではない。

まずい、まずい、と思いながらも、週末はたまった家事やら、足りない睡眠時間の確保やら、お誕生日コールなどですっかり時間切れ。

これは本当にまずいと、早朝の羽田行きの電車の中をはじめ、必死に読み、出張先に移動中に完読!

内容(「BOOK」データベースより)
長い歴史を誇るウィーン・フィルですら一八四二年の創立だから二百年に満たない。つまりベートーヴェン(一七七〇‐一八二七)の時代には存在しなかったわけだ。かように近代になって誕生した「オーケストラ」は、きわめて政治的な存在であり、戦争や革命といった歴史的大事件に翻弄されやすい。「カラヤン」をキーワードに十の都市の十の楽団を選び、その歴史を、指揮者、経営者そして国家の視点で綴った、誰もが知る楽団の、知られざる物語。

目次からして、突っ込みを入れてしまいました。

「なんでシカゴ交響楽団が入っていないのよぉ~」

その理由はP.8からなぜこの10オーケストラが選ばれたかと丁寧に書かれているのですが、地元のオケが入っていないのに、ひどく傷つく。

著者からしてカラヤン派なのだから、カラヤンがぜんぜん振らなかったシカゴが入らなくっても仕方無いのだけど、もっと他の軸で評価すべきではないのか!?
#著者に対しての悪意は無いのですが、私はカラヤン派ではないので、あしからず。

10大オケの選び方は、本人の好みもあるので、異論はいろいろとあるのでしょうが、これだけ丹念にいろいろと調べ上げて、しかも参考文献までばっちり載せてある本を作るとは、素晴らしい。特に、歴史的な事件(特に戦争)とオケとのかかわりをきちんと書かれている点が、非常に勉強になりました。 辞書代わりにも使えるし、ここに出てくるオケを聞くときに、その章だけ読み直していけば、また、違う聞き方ができる本になっています。

ここ数年、年に何度も聞いているであろうウィーン・フィルやニューヨーク・フィルなども改めて歴史を振り返ってみると、知らないことばかり。本当に勉強になります。

なんと言っても、中川さんがお勧めしてくださった「かなりバーンスタインが出てくる」点については、非常に満足です。ニューヨーク・フィルは当たり前として、ウィーン・フィル、イスラエル・フィルなど、あちこちに出没してくるバーンスタインに、わくわくしてしまいました。

510ページもある新書ですが、読み始めれば、意外とスピーディーに読めます。分厚さに躊躇している方、ぜひ、追い込まれた環境で読んでみてください。想像以上に、のりがよく読める作品となっています。

金曜日のディナーが楽しみになってきました!! 無事、完読できて良かった~~


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  • コメント ( 1 )

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  1. TM-K

    前のご紹介を拝見して早速購入しました。今夫が読んでますが、凄く面白いって申してます。
    私はこのごろ紙の本は1ヶ月に1冊くらいしか読めないので、(凄く目が疲れて肩こりが倍増するのです)夫から話を聞く事にしますね。

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