ギュスターヴ・モロー展
本当は今日、お休みするはずだったんですが、仕事の都合で休みが取れず。気分転換のため、早めにオフィスを出て、ギュスターヴ・モロー展へ行って来ました。
サロメの「出現」で有名なモローですが、水彩画と油絵の2枚を書いており、並べてみると違いが分かるそう。サロメが踊っているときに見た幻影だそうですが、かなり怖い絵です。線描の装飾文様が幻想的に見せています。この緻密なモローの世界は、気が遠くなりました。
個人的には、完成している絵よりも、未完成の絵が、モロー自身を表現していたのではないかと想像を掻き立てるので、好きです。「ユピテルとセレメ」は、すごいと思います。あれだけ描き込んでいるのですから。そこには、緊張感と狂気を感じます。だから、途中で描くことを止めてしまった「キマイラたち」や彼の習作は、その緊張と狂気を解き放ってくれて、ほっとさせてくれます。まだ、モローの魂がその辺を彷徨っていて、絵を仕上げるんじゃないかと思わせるその感じがとても好きです。
微妙な緊張感とリラックス感が交じり合う不思議な空間でした。
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