あなたの呼吸がとまるまで
島本理生さんの作品「あなたの呼吸がとまるまで」。
十二歳の野宮朔は、舞踏家の父と二人暮らし。夢は、物語を書く人になること。一風変わった父の仲間たちとふれ合い、けっこう面倒な学校生活を切り抜けながら、一歩一歩、大人に近づいていく。そんな彼女を襲った、突然の暴力。そして少女が最後に選んだ、たった一つの復讐のかたち――。『ナラタージュ』から二年、新たな物語の扉が開く。
こんな前振りをされたら、読まなきゃね!と、この夏に書店で即買いしたのに、他の作品を読むのに忙しくて、のばしのばしになっておりました。クローバーを読んだついでに、島本つながりで、読みました。
彼女の年齢が若いせいか、まだ著者と主人公が分離しきれていないというか、客観性が乏しいようにも思いました。「突然の暴力」とあるので、突然ってどこで来るんだろう!?と思いながらページをめくってしまうので、この帯は良くない。突然が突然でなくなってしまうのだもの。
少女特有のナイーブさと、でも、したたかに生きていこうとする現実さを本当にうまく書いていると思いました。エピソードの挟み方もすごくうまくて、あぁこの人は才能豊かな小説家なんだなぁ・・・とページをめくり終わったときに思いました。
(総合評価:★★★☆☆ 個人的には、ナラタージュやクローバーの方がすき)
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