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先日ある方からご紹介いただき、さっそく読んだ「メンタルサポートが会社を変えた オリンパスソフトの奇跡」。
オリンパスソフトウェアテクノロジーの代表取締役社長 天野常彦氏とメンタルケア相談室室長 小杉佳代子氏の共著です。

内容(「BOOK」データベースより)

働きがいと信頼がメンタルシックをなくす。3年半で130以上の施策を実施。休職者、ゼロ、復職率70%以上、自己都合退職ゼロ、を達成した企業改革のすべてを公開。

帯には「働きがいと信頼がメンタルシックをなくす」とありますが、メンタルシックの部分だけでなく、企業文化そのものを見直し、社員との関係をどう作り上げ、会社がどうあるべきかの根本まで手を入れた結果が、休職者ゼロ、復職率70%、自己都合退職ゼロを達成したのであることがよくわかります。

具体的にどのようなワークシートを使い、どのようなフローでやっているのかも詳細に出してくださっているのが大変参考になります。

最近、大学院で、「日本人にあった経営とは何か?」を議論することが多く、その議論のベースは、昨今急速に研究の進んでいる文化心理学や神経科学がベースとなっています。その中で「日本人を含む東アジア人は明らかにヨーロッパ系とは異なる」部分があり、欧米式のマネジメントを持ってきても日本ではなかなか思うような成果が出ないという議論に発展しています。

この本(P.179、第5章)の中で下記のように天野氏は書かれています。

 「自己責任」の社会や偏った「個人主義」の社会にはない、日本特有の「協力・協調・互助」の精神が、いま世界で求められていると思っています。

 どの国の人であろうと、誰一人完璧な人はいません。みんな何かができて、何かができない。そうでれば、できないことを補い合いながら生きればいい。生きる喜び悲しみを分かち合えばいい。企業にできることは、そのための器を用意することにすぎないのではないかと思います。

オリンパスソフトの取り組みは、単にメンタルシックをなくす活動ではなく、日本の文化にあった経営体制を再度考えるための、大きなヒントをくれる1冊だと思います。

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