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絵: かたぎりもとこ

絵: かたぎりもとこ

ブレスト(ブレーンストーミング)とは、独創的なアイディアを出すための思考法のことで、本来は数人でおこなうものです。Aさんの発言にBさんが触発されて新しいアイディアが生み出され、そのアイディアに触発されて、Cさんがさらに新しいアイディアを出すというように、話し合いの中で発想がどんどん広がっていくことを狙いとしています。

 

本来であれば複数の人でおこなうものなのですが、私は「しゃべりながら考える困ったタイプ」なので、人に迷惑をかける前に自分の頭を整理するため、まず1人でやります。また、問題を解決するために、自分では気づいていない物事を気づかせてくれるツールにもなります。

 

やり方はとっても簡単。まず、準備ですが、会社などの設備が整っているところであれ

ば、ホワイトボードを活用すると便利です。私は自宅でも外出先でも使える「フリーボード」や「どこでもシート」というものを使っています。これは、静電気の力で薄いフィルムを壁に貼り付けて使

うホワイトボードシートです。壁さえあればどこでも繰り返し使えるのでとても便利です。我が家ではお風呂の壁にも貼って使うくらい、本当にどこでも使えます。もし、ホワイトボードがない場合は、パソコンでも白い紙でもいいので、何か書けるものを用意しましょう。

 

まず、「目的」と大きく書き、このブレストで達成したい目的は何なのかを書きます。目的を明確にするだけでなく、自分がこれから書き出すことが目的とはずれていないかどうかを確認するためです。

 

さて、この目的が書けたら、ブレスト開始です。ブレスト作業をする際、そこに上司か厳しい先輩がいると想定します。その人から「なぜそう思うのか?」「その根拠は?」「本当にそれが理由なの?」と聞かれていると仮定し、自分の考えをどんどん書き出していきます。もし誰かを想定するのが難しければ、自分が2人いると考え、自分Aと自分Bでの対話にしてみてください。

 

たとえば「商品Aの売上を仲ばす施策として、新マーケットに商品Aを売り込むことを上司に説得する」が目的だったとしましょう。これがなぜ有効な施策なのかについて、「なぜそう思うのか?」「その根拠は?」と自分に問いかけることで、自分の考えを深く掘り下げ、人が納得できるように説明するための材料を用意するのです。

 

絵: かたぎりもとこ

絵: かたぎりもとこ

自分A:「商品Aの売上を仲ばす施策として新マーケットに商品Aを売り込むことが一番いいと思うんだよね」

自分B:「なんでそう思うの?」

自分A:「だって、今のマーケットにはもうこれ以上売れないと思うから」

自分B:「なんでそう思うの?」

自分A:「去年から全然売上があがらないから」

自分B:「本当にそれが理由なの?」

自分A:「競合の商品BががんがんCMやってるし、認知度高いからかもしれないけど」

自分B:「競合のほうが認知度が高いの? その根拠は?」

自分A:「友達もみんな商品Bを使ってるし」

自分B :「友達がみんな使っていると、根拠になるの?」

自分A:「う―ん……うちの会社ってあまりこういうデータ集めてないのよ」

自分B :「なんで?」

自分A:「もしかしたら私が持ってないだけかも。まずデータがあるかどうか調べないと、今の施策がいいのかどうかわかんないよね。……あぁ、そうか。私が今やらなくちゃいけないのは、『データに基づいて何が本当にマーケットで起きているかを調べること』なんだ」

 

「なぜなぜ」を繰り返すうちに、自分が抱えている本当の問題は何だったかが見えてきます。そして解決策を探り出すことができるのです。また、文字として書き出すことで、自分の考えを曖昧にできなくなりますから、自分の中でのロジックの飛躍などに気づきやすくなります。

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