おいしいコーヒーのいれ方 Second Season III 消せない告白
おいコーの季節がやってきた...というわけで、村山由佳さんの「おいしいコーヒーのいれ方 Second Season III 消せない告白」をゲット。
内容紹介(amazon.co.jpより)
かれんとは相変わらず遠距離恋愛の勝利。今回は、アパートの大家である森下家のもめごとに巻き込まれる。ある日、勝利は長男の嫁・裕恵に連れられ、オーストラリアから一時帰国した次男・秀人を空港に迎えに行く。一見粗野だが人のよさそうな秀人に親近感を覚える勝利。だが、秀人と裕恵の親密さに若干の不安も感じる。その夜、森下家の夕食に招かれた勝利の目の前で、秀人と兄の大喧嘩が始まる。止めに入った勝利は、巻き添えを食って秀人の拳を受け、前歯を折られてしまった。翌日、授業も部活も休み、寝込んでいる勝利の部屋を訪れたのは・・・星野りつ子だった。
一度は戸口で帰そうとした勝利だが、思い直してりつ子を部屋に入れる。歯を折り、顔を腫れあがらせている勝利を気づかい、何か口に入るものを、と台所に立つりつ子。そのとき、勝利の携帯にかれんからの電話が入る・・・。
もう10年以上続く村山さんの「おいコー」シリーズ。毎年、この季節になると、「今年もちゃんと出るかな?」とそわそわしながら、本屋をチェックし、見つけると、すごく嬉しくなります。今年のあとがきを読むと、実はご家族のご病気で、原稿ギリギリだったとか。10年以上毎年出し続けるって、大変なことだから、本当に、無事出版できて、一読者としては、嬉しい限りです。
遅々として進まなかった勝利とかれんの恋愛も、2作前からだいぶ進んできていて、しかし10年このペースでひっぱるって、ある意味、村山さんってすごいよなぁ...と、一体どこに関心してるんだか、私。
今時の恋愛って、もっとスピードがあると思うので、逆に、ここに描かれているような、恋愛を読みながら、読者が自分の恋愛の重さを再確認しているんじゃないかと思います。
今回のテーマは「災難は突然降ってくる」ですが、人生、本当にその通り。それをどうやってかわしながら、あるいは、共存しながら生きるかが、人生のテーマなんだろうなぁ...と、最近、災難続きの私は改めて思い悩む。
青春を過ごす過程で、しっかり勝利のように思い悩めば、もう少しお利口に生きられたのかなぁ...。
軽く読める恋愛小説なのだけれど、スピードつき過ぎて生きている自分を振り返るためにも、年に一度読みたくなる小説です。
今のところハッピーエンドを予想させるような展開ですが、実は、私は一度、勝利に大きな失恋をしてもらいたいと、密かに期待しています。
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