夜会服
太宰続きだったので、久しぶりに三島を読みたくなり「夜会服」を読みました。
内容 (角川より)
社長令嬢・絢子は外交官夫人の自慢の息子・俊男と見合い結婚する。非の打ち所のない好青年に見えた夫だが、絢子には気がかりなことが。新婚旅行から戻った新婦を、案の定嫁姑問題が待ち受ける。
同時代に書かれている”豊饒の海”と比べながら読むとさらに面白いと感じる作品です。同じ上流階級を描いても、こちらは、娯楽要素が強い作品ですが、三島らしい純文学の要素もかなり濃く出ている非常に面白い作品です。
三島作品をこよなく愛する人には、こういう作品を嫌う人もいるのですが、私は、こうしてさらっと娯楽的に読める作品も、どっぷり純文学な作品も、そしてエッセイもどれも全部好きです。
上流階級に流れる空気をとても的確に現しながら、絢子の孤独や違和感を実に見事に書き上げています。嫁姑問題としてしまうとそれまでなのですが、それ以外の部分(上流階級ならではの空気など)でとても楽しめる作品です。
三島の固い作品はちょっと〜と思われる方に、ぜひともおすすめしたい1作です。(複雑な彼も大好きなんですが)
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