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Photo_2 短期間で、日本全国各地を回れそうなほど、出張をする毎日のため、今年は、出張先をテーマにした作品を読むことをテーマにしています。

島根へ出張に行ったので、杉本苑子氏の「終焉」を読みました。

内容(「BOOK」データベースより)
能の大成者世阿弥の苦悩と感動に満ちた劇的生涯「華の碑文」。治政と法の狭間で呻吟する石見銀山の代官井戸平左衛門の苛酷な運命「終焉」。

杉本苑子氏といえば、「孤愁の岸」で直木賞受賞を受賞していますが、以前直木賞受賞作品強化月間のときには、すぐに本が手に入らず、その後、遠ざかってしまっていた作家です。この出張を機会に、読んでみることにしました。 

治世と法について問うた作品で、今の時代に読んでも、我々が普段感じることがある狭間の出来事を、この井戸代官の人生を通じて知らしめてくれています。

井戸代官は「老いの淋しさは冬のままで終りを迎えねばならぬところにある。石見のうらぶれた鉱区のたたずまいを目にするにつけても、60年の双六の上がりがここか、ここがわしの終の棲家なのかとつくづくあたりを見回す思いだった。」と言っており、最後の仕事とは何か?を、まだ、引退には早いですが、自らの生き方、老い方について、考えさせられました。 以前も書きましたが、新たな切り口で本を探すというのは非常に面白くもあり、普段自分が手にしないような、あるいは、手に取ろうと思っていて忘れていた本にめぐり合わせてくれます。


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