モディリアーニ
今年は、著名人を描く映画の作品が多いと思います。
今日観てきた「モディリアーニ」も、トスカーナに生まれ、22歳でパリに出てきて彫刻の道を歩み、30代のはじめに絵画に移り、36歳で亡くなった画家のアメデオ・モディリアーニをモチーフに描いた作品です。
映画の冒頭で「これは実話ではありません」と断っていましたが、モディリアーニをモチーフに、彼と妻ジャンヌが死ぬまでの数年間に焦点をあてたラブストーリーです。なぜ、数年間かと思ったかというと、モディリアーニがなくなったのは36歳ですが、絵画に移ったのは31歳頃と言われていますので、少なくともピカソやユトリロなどと競い合うくらいまでの知名度となると、最後の数年間ではなかったのかなぁ、と思うのです。
映画では、絵画にのみ焦点が当たっていますが、彼の絵は、彫刻を学んだことで体得したデフォルメを絵画に応用したことで、彼独自のスタイルを築き上げたそうです。
また、モディリアーニを知らない人でも、右の絵を見ると、「あぁ、あの人の絵ね」というほど、彼の作風は独特です。私もイタリア留学をし、せっかくヨーロッパにきているのだからという理由で、イタリア・フランス・オーストリア・スイスの美術館を歩き回るまで、美術に関する知識は皆無に等しく、モディリアーニを知ったのもつい最近のことですが、モディリアーニの実物を見たときに、「あ、この絵、どっかで見たことある!」と思ったくらいですので、人の記憶に強烈に焼きつく作風なのでしょう。
映画に話を戻すと、心を揺さぶられるラブストーリーとしてはとても良い映画だと思いましたが、せっかく有名な画家を題材としたのであれば、彼の絵に対する苦悩をもう少し深く描いても良かったのではないかと思います。
この映画で描かれているモディリアーニは、私の大好きな詩人であるシルヴィア・プラスを描いた「シルヴィア」に通ずるものがありました。芸術家であるがゆえに、悲劇的な人生を歩んでしまう。でも、平凡な幸せがあれば、芸術家としての成功はなかったかもしれない… そんなことを思わせる生き方だと思いました。
最後に、音楽がすごく良かったです。エディットピアフの曲だけでなく、KeedieのMy Reasonもすごく良かったです。
(総合評価: ★★★★☆)
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