岡倉天心の「茶の本」

Photo_2岡倉天心さんの「茶の本」を読みました。講談社学術文庫を選んだのは、英語の原文と和訳と両方が掲載されているからです。

内容(Amazon.co.jpより抜粋)
「BOOK」データベースより)
ひたすらな瞑想により最高の自己実現をみる茶道。本書の冒頭で天心は「茶は、日常の事実における美しいものの崇拝、すなわち審美主義の宗教としての茶道に昂められた」という。明治三十九年、天心は西洋文明に対する警鐘をこめて、茶の文化への想い即ち東西の文明観を超えた日本茶道の真髄を切々と綴った。精魂をこめた訳文により天心の精神がいま静かに息づく。原典英文収録の名著復刻の決定版。
著者紹介
【岡倉天心】
1862~1913。横浜生まれ。本名覚三。東京大学卒業。フェノロサに師事。東京美術学校校長を経て、横山大観らと日本美術院を創立。ボストン美術館東洋部長として国際的に名を知られた。学術文庫に『東洋の理想』がある。

声楽の渡辺誠先生から、クラシックを学ぶには、歴史のある文化も学ぶ必要があると言われ、歌舞伎に興味を持ち始め、さらに、お茶にも興味を持つようになりました。その昔、奈良に住んでいた頃に、表千家のお茶を習っていたこともあるのですが、大学院卒業と同時にお茶のお稽古にもいかなくなり、ほとんど勉強せずに今に至ってしまったことを恥じ、ここはもう一度勉強し直そうと思い、入門編であれば、やはり岡倉天心さんだろうと思って、この本を手にしました。
お茶は、西洋と東洋の文化のつなぎの役割を果たしていることは、本文にある「相隔たった東西の人情は茶碗の中で出会っている」というあたりで、なるほどと思いました。また、その表現の美しさにもため息が出ます。
新渡戸稲造さんの「武士道」に通ずるものがあると思いました。
今、改めて、日本の持つ文化力をまず若い人たちに、そして、世界に発信していくことで、世の中からその存在を失いつつある日本の復活ができるのではないでしょうか。
(総合評価;★★★★★ 何度も繰り返して読みたい本です。武士道と同等レベルの傑作です)


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