【舞台】オペラ 夕鶴
新国立劇場でオペラ「夕鶴」を観てきました。新国立での上演は10年ぶり、2回目。ただ、夕鶴自体は、上演回数が800回を超える作品だそう。すごい上演回数です。
私はずいぶん昔に小学生の時に見た後は、海外でドイツ語で上演されているものを見て以来で、本当に久しぶりにこの作品を見ました。
【指 揮】高関 健
【演 出】栗山民也
【美 術】堀尾幸男
【衣 裳】植田いつ子
【照 明】勝柴次朗
【管弦楽】東京交響楽団キャスト
【つう】釜洞祐子
【与ひょう】経種廉彦
【運ず】工藤 博
【惣ど】峰 茂樹
演出家の栗山民也氏が以下のように語っていた作品です。
民話の世界から、普遍的な人間ドラマを描きだして…限りなく美しく、透明な舞台美術にしたい。
本当に透明な美しい舞台で、雪がしんしんと積もっていく中で、欲に目のくらんだ夫婦の破綻の物語が淡々と進んでいきます。
そのまま普通の幸せな夫婦として暮らしていくこともできただろうに、夫が欲に目がくらんだ結果、妻は織物が完成した後、鶴に戻り、去っていってしまうという、鶴の恩返しがベースのストーリー。
しんしんと雪が積もる中、心のそこまで冷えていく、能舞台にも通じるシンプルな舞台。そこで起こる出来事。つうのやるせなさと、自分の身を切ってまでも夫の願いをかなえたいと機を織る様、そして、愛する人との別れ。
本当に美しい、哀しい舞台でした。
前回ドイツ語で観ているからかもしれませんが、日本語の美しさも際立っており、さらに涙を誘いました。
つうや与ひょうもよかったのですが、今回は悪役たち(運ずや惣ど)もすばらしかったです。この後、与ひょうを食い物にするんだろうなぁ~と思わせる終り方。終わったあとも想像力を掻き立てるのはすばらしいです。
前回もかきましたが、今シーズンの新国立はバレエもオペラもいいものばかりです。
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