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絵: かたぎりもとこ

絵: かたぎりもとこ

どんなにすごいアイディアでも提案「書」や企画「書」、つまリアウトプットができていなければ、人に伝えて納得してもらうのは難しいです。そこで、「思考力エクササイズ」の最後は、アウトプットカの鍛え方をご紹介します。

 

「最後になってこんなことを言うな!」と読者の皆様に怒られてしまうかもしれませんが、私の企画書・提案書の書き方は、第1章の「提案力を鍛える」・第2章の「発想力を鍛える」でご紹介したやり方で、提案や企画のネタを出した後、実は今からご紹介する「アウトプット・イメージ」を作ってしまいます。このアウトプット・イメージを作るときに第3章で紹介した「論理力」を使い、どういうお話(ストーリーライン)で伝えるかを決め、アウトプットのイメージ構成(アウトプット・イメージ)を作ります。このイメージ構成ができたあとに、第4章で紹介した「検証力」を使ってアウトプットを作っていきます。

 

さて、この「アウトプット・イメージ」ですが、これは、自分のやろうとしている作業は最終的にどういうストーリーで人に伝え、それがどういうアウトプットになるのかをラフ案として書いたものです。

 

たとえば、今書いているこの原稿ですが、書き始める前に、どういうストーリーで話をするかを編集部と議論した後、そのストーリーをより詳細な「目次」の形に落としました。目次の中で話す大きなテーマだけでなく、どういう事例を使うのかもあらかじめ決めてから、書き始めます。この本も含め過去に出版している本は、書きおろしの場合、だいたい1週間くらいで原稿を書くのですが(私は取材テープをライターに書き起こしてもらうタイプではなく、自分ですべての原稿をゼロから書くタイプです)、書くスピードが比較的速いと言われます。それは、たぶん、ストーリーを明確にしたうえで、目次を細かく詰めていき、アウトプットのはっきりとしたイメージを持ってから書き始めるので、迷わずにどんどん書けるからだと思います。

 

今回のテーマである提案書・企画書も同じようなステップで書きます。違いは、ワードではなく、パワーポイントを使う点です。パワーポイントの場合もまずどのようなストーリーで伝えるかのストーリーラインを作ります。私は通常ワードあるいはemail使ってストーリーラインを書き出していきます。ここまでは本を書くのも、提案書・企画書を書くのも変わりません。ストーリーラインが説得できる提案書になるかならないかの分かれ目ですので、第3章で学んだロジックをフル活用して、ピラミッド構成になるようにお話を組み立ててみましょう。

 

ストーリーラインが決まったら、ストーリーラインにそって手書きでパワーポイントのスライドー枚1枚をラフに書いていきます。たとえば、このスライドではこの提案の要点となる3つのポイントをワードスライドを使って書く。このスライドでは、提案の1つ目のキーとなる分析を縦軸は売上高で横軸は経年でこんなグラフで入れる。などと、ラフではありますが、どんな作業をすればこのスライドが書けるかを明確にしていきます。このときに、第4章でご紹介した分析手法のどれを使うのかを考えながら書きます。

 パワーポイントのラフ案また気をつけたいのが、ワンスライド・ワンメッセージ。1枚のスライドには1つのメッセージしか入れません。複数入れようとするとどうしてもわかりにくくなります。だから、1枚のスライドには1つのメッセージしか入れないのです。ストーリーラインにそってスライドのラフ案をおこしていくときに、1スライドーメッセージになるように作っていきましょう。

 

こうして、パワーポイントのラフ案が出来てはじめて、情報収集をスタートしたり、エクセルを使った分析などの作業に入ります。あらかじめパワーポイントのラフに書いてある作業だけをすればいいので、余計な作業をしなくて済みますし、人に仕事をお願いする場合も具体的なイメージが出来ているので、作業の指示がしやすいというメリットがあります。

アウトプットを作る第一歩は、ロジックを使ったストーリーライン作りとアウトプットイメージ作りです。この最後の章では、アウトプットイメージを作るために必要な「スライドの作り方」にフォーカスをあててノウハウをご紹介します。

 

アウトプットを鍛えるでご紹介予定の内容は次の通りです。

  • Exercise 30 サマリーとなる1枚の視覚化は女性誌で学ぶ
  • Exercise 31 パターン集を作ろう
  • 秋山ゆかりのパワーポイントテンプレートの一部ご紹介
  • もっと勉強したい人のための参考書リスト

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