上智のコミカレ「生殖医療・倫理・法」 第四回「出生前診断と着床前診断」
第四回は埼玉医科大の石原先生の講義「出生前診断と着床前診断」でした。
石原先生は、昔一緒にお仕事をさせていただいた方で、当時から、国際色豊かな先生の博識ぶりに傾倒していたのですが、こうして講義を聞かせていただく機会は2回目で、石原先生の熱のこもった資料に圧倒されました。
授業の内容は以下の通り。
- 出生前診断とは(しゅっせいぜんしんだん、と、読みます。「まえ」と読む方も多いそうですが、業界では「ぜん」と読みます)
- 出生前診断と背景にある要因
- 日本産科婦人科学会の見解(3回の改訂を経て現状に)
- 出生前に行われる検査および診断に関する見解
- 確定診断を目的とする検査
- 絨毛検査:現在はほとんど行われていない
- 羊水診断
- 胎児採血
- 母体血中胎児細胞またはDNAやmRNAの検査
- 非確定的検査(スクリーニング検査)
- 超音波画像診断の例
- 母体血清マーカー
クアトロテストまたはトリプルマーカーテストなど - 染色体異常の症例
- 正常であった症例
- 着床前診断
- PGDとPGS、様々な方法
- 日産婦の着床前診断に関する見解(2010年6月)
- 出生前診断の背景
- 出生前診断について親・家族の意見
- 出生前診断について医療関係者からの意見
- まとめと私見
このような流れで、多くの時間を確定診断を目的とする検査についての説明に使われていました。
興味深い点としては、まとめと私見のところで、「診断とスクリーニングは技術的に変わらなくなるならば、それはどう法的に考えていけばよいのか?」というご質問を町野先生に投げかけられていた点です。きちんと答えのでていない領域だからこそ、議論されるべきなのでしょう。
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